こんな人は尿路結石症に要注意!
暴飲暴食は控えて適度な運動を
尿路結石症は男女ともに発症するリスクのある病気。男性は女性の2倍ほど尿路結石症に罹患しています。男性の中でも特に発症しやすい年齢は30〜44歳の壮年期とされています。しかし、40代、50代になっても発症する人は多くいます。
「発症の原因は水分不足、乱れた食生活、運動不足など生活習慣と密接に関係しています。尿路結石症になった患者のうち、約40%が肥満傾向にあり、生活習慣病を抱える人の発症リスクは高くなっています。
壮年期の男性は働き盛りで、宴会や会食の機会が多くあります。そのため、暴飲暴食、過度なアルコールの摂取などにより食生活が乱れてしまうことも。女性も同じく、つい食べ過ぎたり飲み過ぎたりすることはあまりよくありません。女性の罹患率が男性の半分であるとはいえ、尿路結石症を発症するリスクはあります。
また、近年はコロナ禍の影響で運動不足になっている人が多い傾向にあります。食事だけではなく、適度な運動も尿路結石症の予防になります」(窪田先生)
尿路結石症の予防法は?
水分摂取とバランスの取れた食事が大切
生活習慣と大きく関係する尿路結石症の予防には健康的な生活が大切です。では、健康的な生活とは一体どのようなものなのでしょうか。
「まず、尿路結石症を予防するにはとにかく水分が大切です。できれば1日2リットルは飲んでください。一気に飲むのではなく、こまめに飲むこと。それから、冷やした水でも構いませんが、体が冷えてしまうのでなるべく常温の水を摂取したほうが良いでしょう」(窪田先生)
お茶でも良いのでしょうか?
「麦茶などカフェインの入っていないお茶なら構いません。ですが、やはり水が1番です。1日に2リットル以上の水を飲めば、尿路結石症の再発リスクは60%下げることができるといわれています」(窪田先生)
食事についてはいかがですか?
「脂肪、塩分、糖分のとり過ぎは良くありません。また肉や魚など、動物性たんぱく質の多い食品は控えたほうが良いですね。動物性たんぱく質は尿が酸性に傾きやすく尿路結石症のリスクを高めます。では、野菜ばかりを食べればいいかというと、そうではありません。野菜は尿をアルカリ性にしてしまいます。動物性たんぱく質も野菜もどちらもバランス良く食べることが大切です。
また結石がカルシウムで構成されていることからカルシウムを取らないほうがいいと思う方もいますが、シュウ酸と一緒に摂取すれば逆に尿路結石症の予防になります。
シュウ酸を多く含む食品は尿路結石症の発症リスクを高めますが、カルシウムと合わせれば問題ありません。
例えば、
・コーヒーに牛乳を入れる
・ほうれん草とちりめんじゃこを混ぜる
・たけのこにかつお節をのせる
このように、食事内容を工夫すれば食べられるものはたくさんあります」(窪田先生)
食事に気を付ける、とは言っても…
食事内容に気を付けるとは言っても、あれもダメ、これもダメとなってしまうと食事が苦痛に思えてしまうことも……。毎日のことなので、どうせならおいしく楽しく食事をしたいですよね。
「何でも偏って食べるのがダメなのであって、バランスの取れた食事であれば何を食べても構いません。アルコールもプリン体が入っていて尿酸が高くなるので過剰に摂取するのはよくはありませんが、適度な量であればアルコールと同じくらいの分量の水をチェイサーとして飲めば問題ありません」(窪田先生)
クエン酸も予防に良いともいわれていますよね。
「病院では尿路結石症の患者さんに、クエン酸の薬を処方します。クエン酸はレモンやオレンジ、グレープフルーツなどの果物に多く含まれています。ですが、これらの果物には尿路結石症の発症リスクを高めるシュウ酸が含まれています。食べ過ぎてしまうと今度はシュウ酸を摂取してしまうことになるので、サプリでクエン酸そのものをとるようにしたほうが良いですね」(窪田先生)
まとめ
食事や運動といった基本的な生活習慣を正すことが尿路結石症の予防に大きく貢献します。きちんとした生活は他の病気の発症リスクも下げることができるので、今一度自身の生活習慣を見直しておきたいですね。
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