記事サムネイル画像

72歳嘱託看護師の私に凄腕ドクター「役立たずのBBAは辞めろ!」⇒望み通りに辞職したらまさかの展開に

72歳で看護師をしている私。新卒から40年勤務後に定年退職しましたが、嘱託社員で働き続けています。自分で言うのも何ですが、患者さんやドクターたちから厚い信頼をいただき、娘や孫の年代の看護師さんたちも慕ってくれて、充実した毎日でした。ところが、人手不足解消のために採用された新任の先生がとんでもない人だったのです。

 

衝撃の初対面

「ちょっとおばあちゃん。紛らわしいからナースみたいな服、着ないでくれる?」

 

新任の先生が来るという日、私が病室の見回りをしていると、後ろから突然そう話しかけられました。振り向けば、見慣れない茶髪の若者がふんぞり返っています。「あなたは?」と聞くと、「俺はモリタ。ここに着任した医師だ、覚えとけ!」と言うのです。

 

いろいろなタイプの医師に会ってきた私は、「おもしろい人が来たわね~」くらいに考え、笑顔で自己紹介をしました。「私はここの嘱託看護師です。75歳ですがまだまだ現役。よろしくお願いします、先生」

 

しかしこの若者、何と私を指差して「人手不足だからってババアまで働かせているのかよ」と大きなため息をついたのです。

 

さすがにこの返答は衝撃的。聞いた話では、彼は院長のおいで有名な医大を卒業し、これまた名高い都会の病院に勤めていたエリートということでしたが……。先が思いやられると、私は頭を抱えました。

 

生産性重視?

モリタ先生はその後、ナースステーションであいさつをしましたが、相変わらずの失礼さ。他の看護師さんたちも険しい顔になりました。皆の期待が不安へと変わっていったのです。

 

その後の数週間、やたらと患者さんの診察量が増えていった事態に、看護師たちもビックリ。というのもモリタ先生は、流れ作業をするように問診を強制終了。言葉通り数を稼ぐだけで、何の気持ちもこもっていないのが丸わかりです。

 

長年を通して、こんなに患者に寄り添えない医者は初めてでした。さらに横暴な態度は同僚だけでなく、患者さんにも向けられるように。

 

看護師たちが院長に相談すると、院長の前ではやさしく振る舞い、陰ではつっけんどんな応対に戻るという化けっぷり。おいっ子さんのことを何度も「告げ口」するのも気が引けて、私たちは、患者さんのフォローにあたる日々が始まりました。

 

 

辞めろというので…

そんなある日。控え室から、モリタ先生と若いナースの会話が聞こえてきました。どうやら彼がしつこく言い寄っている様子。しかも、恋人がいるとはっきり拒否したナースに向かって、「せっかく将来有望な俺が声を掛けてやったのに生意気だ」と逆ギレしたのです。

 

その傲慢(ごうまん)さに、我慢できなくなってしまったお節介おばあちゃんの私。思わず扉を押し開け、割って入りました。「いいかげんになさい! 同僚にも患者さんにも不遜な態度で、それでも医者ですか?」

 

すると彼は、「俺はこの病院の救世主だぞ? 院長に頼まれてわざわざ来てやったのに、説教か? 将来的には院長になる俺に盾突くなんて、役立たずのババアは即辞めろ!」と暴言を吐いたのです。

 

いきがる若造に反論したいのは山々でしたが、泣きそうな若いナースの手前、私は冷静に対峙しました。「私が辞めれば、今後皆に横暴な言動を改めてくれますか?」と。

 

厄介払いできると思ったのか、彼はあっさりその条件を承諾。私はその場で辞表を書き、院長不在のデスクに封筒ごと置いて病院を去ったのです。

 

苦情が殺到

次の朝。自宅で看護師長からの着信に出ると、「辞職って本当ですか?」と興奮した声が響き渡りました。昨日のモリタ先生とのやりとりを偶然聞いていた患者さんがいたようで、朝からナースステーションに何人も押しかけてきたのだとか。

 

「患者さんたちが、あなたを辞めさせるなら転院するって大騒ぎで……今すぐ来てください、お願いします!」

 

私が病院に着くと、院長と他のドクター、看護師さんたちが集まってモリタ先生を囲んでいるところでした。それでも何食わぬ顔でとぼけるモリタ先生に、院長以下、皆は怒り心頭の様子です。

 

「しらばっくれる気か? お前の言動に、患者からもスタッフからも苦情が殺到。おまけに、私が懇願して来てもらっている優秀なベテラン看護師に辞職を無理強いするなど言語道断! 辞めるのはお前だ」

 

 

その後のお話

院長は、皆の前で本人も知らなかった裏事情を説明してくれました。「彼は前の病院でも悪評が立つほどでね。そこの院長が困り果てて引き取ってくれと言うから、親戚のよしみで仕方なく一時的に預かった。様子見をしていただけで、跡取りなんかじゃない」

 

後日、さまざまなハラスメントが発覚したモリタ先生は、正式に当院をクビになりました。

 

私はというと、「休暇」も終わり、普段通りの看護師生活に戻っています。そう、提出した辞表はもちろん受理されず、院長が職場を収める間、有休消化を兼ねて休養してくれと頭を下げられただけだったのです。

 

それから後……。今度こそ本当に優秀で人柄もいいドクターと看護師がやってきた職場。私は変わらず、やりがいのあるこの仕事を頑張っています。

 

--------------

誰彼構わず偉そうな態度を取る若い医師。問題行動ばかりで、院長もフォローしようがないですよね。患者さんにも同僚たちにも慕われるベテラン看護師さんが辞めずに済み、本当によかったですね。

 

ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!

 

ベビーカレンダー記事制作の取り組み
  • \ この記事にいいね!しよう /
    現在ログインしていません。ログインしますか?
    シェアする

    この記事の著者
    著者プロファイル

    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

    読者からの体験談をお届けします。

    同じ著者の連載

    新着記事が配信されたら、メールやプッシュ通知でお知らせ!
    15 クリップ
    • コメントがありません

  • 関連記事

    気になる記事をまとめ読み

    人気連載

    新着連載

    連載完結

    もっと見る

    注目記事を探す

    人気記事ランキング

    アクセスランキング
    コメントランキング

    お得な無料キャンペーン

    エンタメの新着記事

  • PICKUP

    ベビカレアプリ
    新コーナー!

    ✨今すぐ✨
    チェック →