卒業旅行と生理
大学を卒業するタイミングで、仲良しのメンバーで卒業旅行を計画しました。ツアーの海外旅行に参加することになり、ガイドブックで見たい景色や食べたい料理を眺め、とても楽しみにしていました。
旅行中に生理が被らないか不安だったのですが、ちょうど生理が終わったばかりだったため、旅行と生理が被る心配はないだろうと思っていました。荷物を少なくするために、ナプキンや痛み止めなどは用意せず、1週間以上にわたる海外旅行のツアーに出かけたのです。
こんなときに限って
しかし、ツアーも終盤にさしかかったころ、バスでの移動中に下腹部に身に覚えのある痛みが。バスから降りてトイレに駆け込むと、生理が始まっていました。生理は終わったばかりなのに、どうしてこのタイミングで……と思いました。
団体ツアーに参加していたので個人行動をとれる雰囲気ではなく、薬局に生理用品を買いに行くこともできません。せっかくの旅行中に気をつかわせるのも申し訳ないと、友人にも打ち明けられず、トイレットペーパーでしのぐしかないのかと絶望しました。
友人たちのやさしい対応
幸いにも、そのときはしっかりとした生地で色が濃いボトムスをはいていたので、トイレットペーパーで作った即席ナプキンでも大丈夫そうだと安心して過ごしていました。しかし、バスの中で長時間同じ体勢をして座っていると、生理痛が悪化し始めたのです。ぐったりする私の様子に気がつき、隣の席に座っていた友人が「車に酔っちゃった?」と声をかけてくれました。
事情を話すと「大丈夫なの? 早く言ってよ」と、次の休憩ポイントで自分のナプキンを分けてくれて……。さらには「おなかに貼ると痛みがマシになるかも」とカイロまでくれました。つらくなったら休もうね、と観光中も気づかってくれた友人たちのやさしさが身に染みました。
友人にもらったナプキンとカイロのおかげで、最後まで楽しく旅行を続けることができました。同性ならではの心づかいがとてもありがたく、心強かったのを覚えています。仕事や結婚で住むところは離れてしまいましたが、今でも誕生日にはお祝いの連絡をしたり、オンラインで近況報告会をしたりする大切な友人です。
著者/大岡むぎ
イラスト/まっふ
監修/助産師 松田玲子
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!