娘のために小学校協議
9歳(小学校3年生)で初潮を迎えた私。母が一番心配したのは、学校でのナプキン交換についてでした。その理由は、母が授業参観の日にトイレを利用した際、サニタリーボックスがなかったことを思い出したからです。母はすぐに小学校に連絡をし、担任に相談しました。
担任は男性教員でしたがとても理解のある人だったようで、すぐにほかの女性教員と情報を共有してくれました。結果、職員会議ですべての女子トイレにサニタリーボックスを設置することが決まったといいます。こうして、母は早くに初潮を迎えた私を安心して小学校に送り出すことができました。
ひとつの小学校から市内全体で広がった働きかけ
この話はここで終わりではありません。驚くことになんと母の働きかけがきっかけとなり、私が通っていた小学校だけでなく、市内にあるすべての小学校でも全女子トイレにサニタリーボックスを設置する取り組みが広がっていったのです。
市内の小学校の多くが、低学年・中学年・高学年ごとにフロアが分かれていて、高学年が使うトイレにはサニタリーボックスがあったようですが、低学年・中学年のトイレにはなかったそう。しかし、私のように低年齢で初潮を迎えるパターンもあると知られ、このような取り組みが広がったと言います。
なぜ私がこの話を知っているかというと、大人になった私は教員になり、地元の小学校の教員として勤務していたころ、母校でお世話になった先生と同じ勤務校になったときに、教えてもらったからです。
最近になり、私は「思春期早発症」という病気を知りました。おそらく私もこの病気に近しいものがあったのかもしれません。当時は、「低年齢で初潮が始まることがある」という情報はなく、母も学校も戸惑ったことでしょう。それでも母は娘のためにと行動してくれて、学校も理解してくれました。今でも、母や学校の迅速な対応には感謝でいっぱいです。私も母の行動力や学校の理解力を見習いたいと思います。
※「思春期早発症」とは:男児では9歳以前、女児では8歳以前に始まる性的成熟のことを言います。
著者/匿名
作画/おみき
監修/助産師 松田玲子
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