目を疑う光景が…
家族思いの彼というと聞こえはいいですが、まだ結婚をしていない同棲中のカップルの家に家族を泊めるなんて……と、私は内心とても嫌でした。けれど、彼に強く言うことができず、彼の母、弟、祖母の3人が泊まるのを泣く泣く受け入れることに。
そして、彼の家族が泊まりに来る当日。せめてもの抵抗で「その日はあまり家にいたくない」と彼に言い、私は友人との予定を組んで出かけることにしました。けれども一応、夜ごはんは彼の家族と一緒に食べたほうがいいかなと思い、夕方ごろに帰宅。
「ただいま~」とドアを開けた瞬間、私は自分の目を疑いました。なぜなら、彼の家族たちが床一面に新聞紙を敷き、ホットプレートで焼肉をしていたからです! この部屋に引っ越してきてからまだ日も浅く、きれいな状態だった家が一気に焼肉のにおいに……。
引っ越したばかりの部屋
ショックだった私は、彼を部屋から連れ出し「どういうこと?!」と聞きました。すると、引っ越し祝いにと家族がホットプレートを買ってくれたらしく、せっかくならみんなで使おうと焼肉を始めたそうなのです。
そして、新しく引っ越してきた家を汚したら悪いからと、油ハネを避けるため床一面に新聞紙を敷いたのだとか。彼の話を聞いた私は、「油ハネの配慮をするくらいなら、そもそも家で焼肉しないでよ……」と、彼の家族の行動に心底引いてしまいました。
それから、私も一緒に焼肉を食べるよう誘われましたが、焼肉で家が汚れていくショックで食欲がわかず……。翌朝起きると、カーペットとカーテンにしっかり焼肉のにおいが染み付いており、テーブルは少しベトベト。腹が立った私は、彼の家族が帰ったあと彼に説教をして、絶対家で焼肉をしないでと約束をしたのでした。
この出来事で彼との将来が不安になり、一時は別れを考えたこともありましたが、彼の価値観も受け入れようと結婚することにしました。結婚後、彼の実家に行くことが多々ありますが、彼の母は「においがつくから嫌」と、焼肉をしたり生魚をさばいたりは絶対にしないようです。そのため、あのときなぜ私たちの家で焼肉をしたのか不思議でなりませんが、今後、家で焼肉をすることはなさそうなので安心です。
著者/新谷けご
イラスト/もふたむ
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