リフォームは避けて通れない!?
築25年を過ぎたころから、給湯器、お風呂、トイレと立て続けに調子が悪くなりました。これらは生活する上で壊れたら困るため、何とか費用を捻出し早々にリフォームをしましたが大きな出費でした。
昨年は玄関ドアの鍵のトラブルがあり、開錠のため鍵穴に鍵を挿し回そうとしても回らないことが何度もありました。ネットで解決方法を調べその都度対応しましたが、このままではいつか家の中に入れなくなることになるのではないかと業者さんに修理を依頼しました。その他にも、備え付け家具の扉のねじが緩んだり外れたりしてしまう頻度が確実に増えています。
また、リビングからベランダへ出入りするためのサッシの引違い窓の鍵も調子が悪くなりました(オーソドックスなクレセント錠で、施錠具のハンドルを回転させ、受け具でロックするタイプ)。ハンドルを上に向けておくと開錠、下に向けると施錠するタイプで、ある日ベランダに出るためにハンドルを上げていたのですがちょっと席を外し戻ってくると、ハンドルが自然に下がっていたのです。
確認すると、本来ハンドルを回転させるにはハンドルをしっかり握りある程度の力を加える必要があったのですが、上に向けた状態のときに、指先で(ハンドルに)軽く触れただけであっけなく下向きに回転してしまったのです。これは修理が必要だな、と思ってはいたのですが、すっかり放置してしまいました。このことが後に大きなトラブルになるなど、このときは考えもしませんでした。
ベランダからリビングに入ろうとしたら窓が開かない
べランダに出るための窓がリビングと和室の2カ所にあります。最初に和室の窓拭きをして施錠。次にリビングの窓を外側から磨きサッシに手をかけ中へ入ろうとしましたが、ビクともしません。「えっ? なんで?」と、窓の周りを確認してみるもベランダ側に問題はありません。室内に目をやり、鍵に目をやると……ハンドルが真下を向いて施錠されている! 理由はベランダへ出た際に窓を勢い良く閉めた際の衝撃だと思われました。どうしよう……。和室側の窓は施錠したのでそちらからは入れません。家族は皆出掛けていて、あと数時間は帰らないという状況でした。
とりあえず夫に連絡してみよう!と思ったものの、スマホは窓の向こうのリビングのテーブルの上。助けてくれる人も、助けを求める手段も持たないとすれば自力で部屋に戻るしかなく、方法を考えなければなりませんでした。思い付いたのが、わが家は1階です。
少々危険ではありますが、ベランダの手すりを乗り越え、数10cm下のベランダ沿いに左右に延びるマンション共用スペース(本来住民の立ち入り禁止となっている公道に面するマンションのフェンスとベランダの間のスペース)に降りて左右どちらかに行けばマンションの敷地の外へ出られます。それから、歩いてすぐ実家へ行って預けてある合い鍵を借りてくれば、オートロックの解除と玄関の鍵が開けられるからこれで解決できるということでした。
脱出計画スタート、その結果は
運良くベランダには台が置いてあり、それを使って手すりを乗り越えマンション共有スペースに降りることは成功しました。しかし、左の突き当たりまで進んでみると行き止まりで高い頑丈なフェンスが張られています。それなら右側へと進んでみると、こちらも行き止まりで左側よりさらに頑丈なつくりのフェンスに大きな南京錠が掛けられており、マンションのベランダ沿いの端から端のスペース内でしか動くことができなくなってしまったのです。
半ばパニックになりながら、「誰か1階の人、ベランダに出てきて!!」と願いながらウロウロすること数10分後、わが家の隣の部屋のベランダに住人の方が出てきて、私に背を向ける位置でたばこを吸い始めました。申し訳ないがこの方に協力してもらうしかない!と驚かれることは承知の上で声を掛けました。
かなり驚いた様子で振り向き「なんだこの人!?」という目で私を見るお隣の方。こちらも必死です、怪しい者ではないと訴え、これまでの経緯を説明し、ここから抜け出す方法を確認したいので管理会社のお客様相談窓口へ電話を掛けさせてもらえないかと懇願すると、電話番号を調べてくださり、スマホを貸してくださいました。と同時に、実家にも電話をさせていただきました。
その後はお客様相談窓口の方が手際良く対応してくださり、私が本当にこのマンションの住民であるかの確認と、フェンスの開錠は警備会社の方でなければできないので、到着まで少し時間がかかること、出張料金が発生すること、部屋へ戻る際に本人確認が必要ですとの説明を受け電話を切りました。
まとめ
相談窓口の方との電話終了後、到着した母からベランダ越しに、合い鍵、スマホ、運転免許証を受け取り、その45分後に警備会社の方がフェンスの開錠をしてくださり部屋に戻ることができました。ベランダに閉め出されてから部屋へ戻るまでは約2時間30分。多くの方にご迷惑をおかけしたこと、特にお隣の方には、警備会社の到着時の立ち会いまでしていただかなければならず、1時間以上も拘束されることとなってしまい大変申し訳なかったと今でも思っています。鍵の状態がおかしいと気付いたときに修理をしておけばこんなことにはならなかったのに、と反省しきりです。
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著者:ブルームーン
30代でシングルマザーになり、50代で再婚。