財布の中身を見せたがる彼
彼との出会いは高校で、彼は同じクラスでした。いわゆるイケメンと呼ばれる部類に入っていて、彼に片思いを抱く女子もそれなりにいたと思います。彼からは直接告白されたわけではなく、クラスメイトの前で「軽くタイプなんだよね」と言われ、周りからの「付き合っちゃえよ」という押しもあって付き合うことになりました。
周りからの評判がよく私にもやさしい彼ですが、何度デートを重ねても、なぜか会計時になると財布の中を広げて「今日これだけなの」と半笑いします。私はその都度、どう反応したらいいのかわからず困っていました。
ただ、私が「お金を出そうか」と言うと、なぜか彼は慌て始めます。たいていは食事代などで金額がそこまで高くないことが多く、彼はスマホを取り出して自分の分を電子マネーで払ってくれます。
彼のせいで予定が狂ってしまって!?
しかしあるデートの際、事件が起こりました。遊園地に入園するためチケット売り場に並んでいたときのことです。チケット代が1人数千円かかるとわかっていたのですが、彼はお財布に数百円しかない状況でした。スタッフさんから電子マネーの利用が不可だと教わり、さっきまで財布を見せて「数百円しかないわ〜」と笑みを浮かべていた彼の顔が一瞬にして凍りつきました。
そして彼は私に頭を下げて「ごめん。お金を貸してほしい」とお願いしてきました。しかし、私は自分の分しか払えるほどのお金しか持ち合わせておらず……遊園地に入るのは諦めることに。結局、その日は近くのベンチに腰掛け、缶ジュースを飲んで過ごすこととなったのでした。
ベンチで缶ジュースを飲みながら、彼に「どうしていつも現金を少ししか持ち歩かないの? あと私に財布の中身を見せてくる理由は?」と聞くと、彼は真相を語ってくれました。実は、彼は電子マネーを使えることを自慢したく、今までわざと財布に数百円しか入れず、それを私に見せていたのだとか。
電子マネーの便利さに甘んじていた彼に「今回みたいに現金しか使えなかったらどうするの?」と説くと、彼もようやく「そうだよね……迷惑かけちゃってごめん」と考えを改めてくれたようで、今では電子マネーと現金の両方を器用に使いこなしています。
著者/匿名
イラスト/マメ美
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