ビリヤードが得意な彼
学生時代、イケメンで周りからも人気の高い彼と、帰り道にデートすることになりました。行き先はビリヤード場。真剣な眼差しでキューを構える彼の姿に、私はうっとりと酔いしれてしまいました。
付き合い始めてからも、帰宅中の寄り道デートは毎回ビリヤード。友だちも複数人誘って、みんなでわいわいビリヤードをすることもありました。かっこよく球を突いたり、友だちにビリヤードを教えたりする彼の姿が大人っぽくて、私はいつもうっとり。彼と付き合ってることが自慢で、うれしくてたまりませんでした。
彼に嫌気がさすように…
しかし、そんな自慢の彼に対して、だんだんと不満を感じるように。彼だけがビリヤードの上級者なので、最初は楽しんで参加していた友だちも次第に飽きて、誘っても誰も来なくなってしまったのです。
私もビリヤードそのものが好きだったわけではないので、「そろそろビリヤード以外のデートも楽しみたい…」と我慢していました。
それなのに、ビリヤードの腕前を披露することができなくなって、彼は不満そう。友だちに「誰か誘ってきてよ」としつこく言い、それだけでなく「みんなも早く俺みたいに上手くなったらいいのに、これじゃつまらねぇ」と容赦なく見下す発言もしていました。
気がついたこと
そんな彼を見ていると、彼は私のことが好きなのではなく「ビリヤードをする俺にうっとり見惚れる私」のことを好きなんだと感じるように。同時に私も、本当は彼のことが好きなのではなく「大人っぽくビリヤードをする彼」に憧れていただけだと気がついたのです。
今でもビリヤード場を見かけると、彼のことを思い出します。特技や趣味を披露したい気持ちはわかりますが、夢中になりすぎて、周りの人の気持ちを考えられないのは残念だなと感じた出来事でした。
著者/雪田みゆ子
作画/ちえ
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