不機嫌な顔で帰宅した娘
私は「便利になった世の中だからこそ、子どもには便利が当たり前になってほしくない」という思いがあります。そのため、まずは不便を経験してから便利さを感じてほしかったので、長女が小学校にあがったころ携帯電話は持たせませんでした。
ある日、長女が学校から帰って来ると、不機嫌だったので「どうしたの?」と聞きました。すると……。
「今日AちゃんとBちゃんと帰ってたら、2人でキッズ携帯の話ばかりしていて、『長女ちゃんはキッズ携帯持っていないもんねー』って言われて嫌だった」と言うのです。
「1年生でそんなこと言うんだ」と私は驚きながらも、「そっかー。2人ともキッズ携帯を持っていてうれしいのかもね」と言うに留めました。そのまた次の日も、帰って来るなり「今日はAちゃんとBちゃんに『長女ちゃんキッズ携帯持っていないからバイバーイ』って走って行かれた!」とぷんすか怒っていた長女。
私は「意地悪を言う子たちなら一緒に帰らなくて正解かもよ」と思いながらも、「そっかー。長女ちゃんが嫌だと思うことはお友だちにはしないでおこうね」と言いました。ちょっと嫌な感じだなと私は思いつつ、もしかして長女にも原因があるのだろうか……などと当時は悩んでいました。
それから4年が経ち、長女は5年生になりました。クラスには仲の良いお友だちもいて、学校がとても楽しそうです。今はクラスのお友だちと帰ったり、1人で帰ったり……。もうAちゃんやBちゃんと帰ることはありません。長女のお友だちの輪は広がっていて、ちゃんと気の合うお友だちを見つけているように思います。1年生のころあんなに悩んでいたけれど、親はドンと構えていればいいんだなと今は思えるようになりました。
著者:石井ゆうき/女性・会社員。2児のママ。秘書として時短勤務。お金にまつわることに興味があり、FP2級の資格を取得。家計管理・資産運用に生かしている。
イラスト:ふくふく
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています