「ねぇ…」じっと私を見つめる彼。告白されると思いきや…予想外の展開に赤面！？

 

ある日、気になっていた男性から美術館デートに誘われました。私はすぐにOKしたものの、問題は当日、どんな洋服を着るか。自宅にある服を引っ張り出してみましたが、どれもしっくりきません。

 

そのため、雑誌やネットで流行りのファッションを調べてみたところ、最近は透け感のあるアイテムが人気なのだそう。肌がうっすら透けて見えることで、大人の色気も演出できるとのこと。

 

私は「これならデートにピッタリだ！」と思い、夏の終わりということもあり、黒いタンクトップドレスと、その上に着る白のシアーシャツを購入しました。体型もスッキリ見せられると、そのときの私は自信満々でした。

 

そして迎えたデート当日。その日は気温が25度以上と、かなり暑かった記憶があります。シアーシャツというのは、見た目は涼しげですが、重ねて着ているので正直暑いです。待ち合わせの場所に着いたときには、汗っかきの私の体はじっとりと汗が滲んでいました。シアーシャツを脱ごうか悩みましたが、結局そのまま彼と合流し美術館へ。

 

しばらくの間、涼しい美術館の中で過ごし、外に出るとふと彼の視線を感じました。じっと見つめられ、「もしかして告白される？」と期待した私。ところが、彼の口からは「ねぇ、服が破けてるよ」との言葉が……。

 

慌てて確認すると、シアーシャツの肩甲骨あたりの生地が破けていたのです。どうやら生地が薄いことで、どこかにぶつかって擦れたときに破れてしまったようです。予想外の展開に私は赤面。こんなに気合いを入れて服装を選んできたのに失敗に終わり、恥ずかしくてしばらく彼と目を合わせることができませんでした。

 

 

シアーシャツは、私にはあまり合っていなかったようです。汗っかきのため肌にベッタリと生地がくっついてしまいましたし、いつの間にか破れているという始末……。これから洋服を選ぶ際は、デザインだけでなく生地にも注意したいと思った経験でした。

 

著者／鈴木梨香
イラスト／藤まる