子どもがいなくなって気持ちが沈むようになった
私の仕事は自宅が職場となっているため、買い物以外はほとんど外出しません。早朝から仕事が始まり、夫はそっと会社へ出かけるため、出かけたことも気付かないので言葉もかけません。夜、夫が帰ってきて今日の出来事や気になることなどを話題に持ちかけしゃべりかけるのですが、あまり私の話ばかり聞いてもらっても疲れているのに申し訳ないなと感じ、話すことを遠慮する毎日でした。気が付けば、会話をすることのない毎日だったのです。
そんな日々が続き、心に穴が開いたような思いがあり、出ていった子どもが恋しくなって泣いてしまうことが続きました。そうしていくうちに、勝手に涙が出てきて、何をしても不安な気持ちでいっぱいになりました。寝る前に鍵をかけたか確かめた後も不安になるなど、何をしても不安がつきまといます。そして、久しぶりに休暇で戻ってきた子どもに会い、確信しました。
不安な気持ちや沈んだ気持ちは更年期のせいでもあった!?
子どもが帰ってきて、ひとり暮らしや職場のことなどを話し込んだり子どもの食事の支度をしたりすることで、今までの不安な、そして変なモヤモヤした気持ちが吹っ切れていることを実感しました。そして、不安な気持ちになったのは、子どもが家からいなくなったことがきっかけだったのだと気が付きました。ですが、私の年齢では不安がよく起こるものだとも知りました。
家庭の医学書やネットで調べてみて、母としての役目が終わる時期が更年期の時期と重なり、喪失体験をすることで不安や抑うつを起こしやすいのだとわかったのです。子どもも寮に戻り、また元の生活に戻ってしまいました。やはり、また気持ちが沈んでいく自分がいました。ですが、自分なりにこの気持ちをなんとかしようと思いました。
そこで、日中の私の相手をしてくれるものを探すことにしました。そうすれば、「毎日にハリができて元気になるかもしれない」と思ったからです。
私が見つけた不安を解消するための解決法
私が見つけた解決法は、おしゃべりする鳥を飼うことでした。これは生き物が好きな私が行き着いた発想でした。すでに数十匹も飼っているので、これ以上動物が増えたら家族に迷惑かなと思いながら、でも気持ちは抑え切れず鳥専門のショップに行くことにしました。
そこで歌を歌ってくれるメスのインコに出合ったのです。「この子がいたら楽しくなるかもしれない」と飼うことに決めたのですが、生き物を飼うという責任を考え、ずいぶん悩みました。
でも、見るからに人見知りなその子が心から離れず、連れて帰ってしまいました。インコが家にやってきてから、その子に話しかける毎日が始まりました。そのインコは手を怖がる子だったので、慣れるようになるまでは根気よく接しなければなりませんでした。もちろん愛情をかけてのことですが、それも私には効果があったのだと思います。
私にとってインコとの毎日は、元気を取り戻すリハビリでもありました。飼い出してから半年たった今では歌も一緒に歌うときもありますし、手からもおやつを食べてくれます。何より、私の気持ちが明るくなったので、インコにとても感謝しています。
まとめ
子どもが家を出たことがきっかけで起きた不安感や喪失感でしたが、更年期の症状でもあることを知りました。私の場合は、子どもの世話を急にできなくなったことへの喪失感、ひとりでいる時間が長すぎたことが原因です。それを解消したのは1羽のインコなのですが、これは私独特の解消法なのかもしれません。でも、とても素晴らしい解消法だと私は思っています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
イラスト/山口がたこ
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著者:ch
生き物をこよなく愛し、家中生き物だらけ。4人の子育ても無事終了し、好きなことを仕事にして頑張っている日々。今は良き恋人で友でもある夫と二人暮らしを楽しんでいる。