離婚から5年経ったある日、元夫を略奪した女性から私のもとに連絡が。「私たちのその後を心配してるかと思いまして!」と言って、幸せ自慢をしたいだけの彼女。記念日にお祝いされただとか、元夫が順調に出世して年収も上がっているだとか……。「幸せすぎて怖いくらいです」と語る彼女に、「私もそれなりに幸せですのでお気になさらず」と言うと、なぜか驚いて……?
それなりの幸せ
「もしかして再婚とかしたんですか~?」と聞いてきた彼女。別にマウントを取り返すつもりはないので、「職場の方と素敵なご縁がありまして、昨年再婚させていただきました」とだけ答えました。
すると、「えっ……でも職場って普通の会社員でしたよね?彼から安月給の会社だって聞いてますよ~」とあからさまに見下した態度をとってきた彼女。「私なら絶対無理ー、ありえなーい」と言ってあざ笑ったのです。
いきなり連絡してきて、自慢話だけならまだしも、私の夫を馬鹿にするなんて……!どういう神経をしているのだろうと私は耳を疑いました……。
数時間後――。
今度は元義母から連絡が来ました。どうやら彼女から私が再婚したことを聞いたそう。
「うちの馬鹿息子たちのせいであなたにはたくさんのご迷惑をおかけして……」「娘みたいな存在のあなたが再婚しただなんてうれしくて、どうか結婚祝いを贈らせてほしくて連絡したの」と義母。
「お気持ちだけで十分ですよ!」と言いながらも、相変わらずやさしく接してくれる元義母の言葉になんだかじーんとしてきてしまいました。離婚するときも元義母は私の味方になってくれましたし、本当に頭が上がりません。
一通り話を終えた後、元義母は「実はね……」と声をひそめて話し始めました。「私なりに努力したけど、新しいお嫁さんはどうやっても娘のように思えないのよ」と元義母。
結婚を機に同居をはじめた元義両親と元夫たち。あの女性は家のことは一切何もせず、元夫のお金で浪費ばかりしていると元義母はこぼしました。ただでさえ外聞の悪い結婚だというのに、元夫の仕事にガンガン口を挟み、取引先のパーティーでも自分が一番目立たないと拗ねてしまうそうで、周囲からの評判も悪いと言います。
ちなみに、元義父はいまだに海外を飛び回っているそう。厳しい元義父の目がないことをいいことに、元夫は私と別れ、例の女性と再婚したのです。
「でもね、今月末には帰ってくるの」「きっと馬鹿息子たちにガツンと言ってくれるはずよ」と心なしかうれしそうな声の義母。
「そういえば、お祝いなんだけど……久々に会いたいし、私たち夫婦とおいしい食事に行かない?」と誘ってくれた義母に、私は二つ返事でうなずいたのでした。
一瞬で砕け散った夢物語
数週間後――。
あれからたびたび私に自慢話をするためだけに連絡をしてきた例の女性。今日もまた電話がかかってきました……。
「ついに、彼のお父さんが帰ってきたの!」「帰国は社長引退の目途が立ったからだって言われてるから……ついに彼がまたまた出世しちゃうんだよね~!」「まだ社長就任には早いから、役員に昇進かな?って。年収は3,000万ぐらいになるのよー!」と自慢話が止まらない彼女。
「年収3,000万の旦那ゴチでーすw」
「これで社長夫人の夢にまた一歩近づいたわ!」
「あんたの旦那無職だけどね」
「え?」
浮かれすぎていてもう見ていられません。私は真実を彼女に告げることに決めました。
実は、元義父の帰国直後に、元義両親に会いに行っていた私。晩御飯を食べながら、義父は「離婚のときは守れなくて申し訳なかった」と私に謝り、「あの馬鹿息子の解雇を告げるために帰ってきたんだ」と話していたのです。
社長である元義父は、海外視察に全力を注いでいる間は他の役員に、息子、つまり元夫の処分を任せていたそう。しかし、帰国した暁には即解雇する、と周囲にも宣言していたようです。
帰国の目途が経ったのも、海外視察中に次期社長にふさわしい人材を見つけたから。その人を副社長に据えて、これから育成していくそうです。今度、大々的に副社長就任式も行うそう。
「息子だからって理由で社長になれるほど経営は甘くないぞ」という元義父の言葉を伝えると、彼女は「嘘でしょ!じゃあ私の社長夫人の夢はどうなるのよ!」と悲鳴を上げたのでした。
懲りない略奪女
その後、元義父は本当に実の息子である元夫に解雇を告げたそう。それを知った例の女性は、「孫が産まれても会わせませんよ!」と元義両親を脅したそうです。もちろん、元義両親はそんな脅しに屈するわけはないのですが……。
愚痴る相手が私しかいないのか、彼女はまた私に連絡を取ってくるように。「今は無職でもあんたたち負け組夫婦よりはいい生活してるもん」「あんたの旦那なんててせいぜい年収200万程度でしょ、すぐに追い越してやるわ」と、マウントを取って自分を保とうとしている彼女に、さすがの私も辟易。
「いや、私の夫は年収1,000万以上もらってるけど」
私と夫が働く会社は社員の資格取得を積極的に支援。夫は努力家で、仕事で疲れているのに猛勉強して、資格を多数取得しました。たしかに全体的に給与が低めの会社ではありますが、夫は会社の中でも一目置かれる存在なのです。
社長息子という肩書にあぐらをかいていた、どこかの元夫とは全然違うのです。
その後――。
元夫は転職し、例の女性も生活のためにパートを始めたそうですが、それでも年収は以前の半分以下。相当苦労しているようです。
一方、元義両親は時々私たち夫婦を食事に誘ってくれるようになりました。夫にとっても元義父の話がいい刺激になっているようで、さらなる資格取得に向けて猛勉強を続けています。元義母が元義父を支えてきたように、私も夫を支えられる、そんな存在になりたいです。
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