体のあちこちが痛い!
内科には新型コロナ関連の患者さんが押しかけている一方、幸いにも婦人科には診察待ちの患者さんがほとんどおらず、看護師さんからすぐに「こちらにどうぞ」と声をかけられました。これから診察が始まるのですが、自宅から急患センターにたどり着くまでの間で、下腹部だけでなく他の部位にまで痛みが広がってきていて……。
※作中ではマスクのイラストを省略しています。
例えば心筋梗塞の場合、胸の痛みよりも前兆として肩や頸部に痛みが生じるように、原因となる部位から離れたところに痛みが生じることがあります。今回も、内臓に障害があると、その痛みは末梢神経を伝わって脊髄に入力されますが、同じところには皮膚の領域に痛みを感じる痛覚の神経が多くあり、脳に伝達されるときに内臓ではなく、皮膚からのものだと脳が誤認識して、痛みが引き起こされたのでしょう。
また、胃痛や吐き気は、腹腔内の出血量が多いときに腹膜が刺激されて起こります。
にしこさんの場合はのちのち病名が卵巣出血と判明するのですが、卵巣出血によってこれらの症状が起こったと推測されます。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック 院長)
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
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