2010年ごろに受けた人間ドックで3cmほどの子宮筋腫が3つ見つかった猫野サラさん。その後、引っ越しによる転院を経て6〜7年ほど経過観察を続けた結果、筋腫はグレープフルーツよりも大きいサイズにまで肥大してしまいました。どうにか閉経までやり過ごせないかと考えていた猫野サラさんでしたが、ついに婦人科医から「MRIをしましょう」と言われてしまって……?
6.MRIやってみた
偶然空きがあるとのことで、急きょMRIを撮影することになった猫野サラさん。3日後に再び病院を訪れると、「手術が得意なベテラン」だという医師を紹介されます。どうやらMRIの結果を踏まえて、今後は手術前提で話が進んでいくようです。
7.妊婦さんに例えると
MRIの結果によると、子宮筋腫は「妊娠7カ月くらいの大きさ」にまで肥大化しているそう。妊娠7カ月だと子宮の大きさはだいたい22〜25cmほどでしょうか。あまりの大きさに猫野サラさんも驚いて笑ってしまいます。
その後、閉経までなんとかやり過ごそうと思っていた旨を打ち明けると、医師からは「そんなに待っていたら長生きできないかもしれませんよ」と言われてしまいます。
8.筋腫と記憶力
最近、物忘れが増えているような気がして危機感を抱いた猫野サラさんは、できるだけ早く手術をしてもらえるよう、医師にお願いしたのでした。
※子宮筋腫はほとんど良性です。がんのような悪性の場合は、悪液質と言って正常細胞に栄養や酸素が供給されず、がん細胞がどんどん増殖して、栄養不良で衰弱して死亡するということがあります。また、筋腫による月経過多で貧血が強度の場合、全身への酸素供給が低下し、脳への供給も少なければ、いろいろ症状が起こることがあります。しかし、よほどの栄養失調の状態でなければ、腫瘍に栄養分が取られるようなことはありません。また、子宮筋腫によって認知症のような症状が出ることもありません。
9.子宮を残すか否か
入院予定期間は10日間とかなり長いため、GWの期間に合わせて手術を受けることに。
その後、猫野サラさんは担当医と手術の方向性について話し合います。まず、卵巣は残す方針で決まったのですが、問題は子宮をどうするか。医師は「妊娠を考えているのなら……」と選択肢を提示しますが、すかさず猫野サラさんは「考えてません」とキッパリ伝えます。
10.大きいが位置はよい
ネットなどの知識から「子宮を残しておくと子宮筋腫が再発するリスクがある」「子宮を全摘してしまえば、筋腫の再発リスクを含め子宮関連の病気の発症に怯えることがなくなる」と学んでいた猫野サラさんは、すでに子宮を全摘する方向で心を決めていたようです。医師から「筋腫のサイズは大きいですが取りやすい位置にあるので大丈夫ですからね」と声をかけられ、この日の診察は終了。続けてこのあと、入院前の検査を受けることとなりました。
今回、子宮全摘を選択した猫野サラさん。子宮全摘はおもに子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症などで、子宮を丸ごと摘出する必要があるときにおこないます。子宮全摘のメリットとして「子宮筋腫の根治が可能なこと」「子宮がんの発症がなくなる」などが挙げられますが、一方で「妊娠できなくなる」というデメリットもあります。
また、子宮がなくなることで生理も止まります。ここで、「更年期のような症状が出てしまうのではないか」という疑問が生まれるかもしれませんが、卵巣を残した場合は女性ホルモンの分泌が継続されるため、子宮全摘後に急にホルモンバランスが大きく崩れて更年期障害が出ることは、ほとんどありません。
医師は「卵巣はきれいだから(何も問題がないから)」という理由以外にも、まだ閉経を迎えていない猫野サラさんが術後も今まで通りの生活を送れるように、という意味も込めて、卵巣を残す方針にしたのかもしれませんね。
監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック 院長)
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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