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「本当のママになって!」家政婦だった私にプロポーズ!? 断ろうとした私に待っていた結末とは!?

好きなことが仕事にできればいいな……。そんな思いから、家政婦として働くことにした私。

私は家事全般が好きで、特に料理は大得意! ラッキーなことに、家政婦の紹介所に登録をしてすぐ、とある家庭への派遣が決まりました。

私が担当することになったのは、5歳の男の子・リクトくんを男手ひとつで育てているシングルファーザーの家庭です。

 

雇い主のハルトさんは去年奥様を亡くし、しばらくはリクトくんと一緒に過ごしていたのですが、そろそろ本格的に仕事に復帰しようと思っていたそうです。家事に加え、リクトくんのお世話を任されました。

雇い主はモテ男!?

しかしリクトくんは、まだママを失った傷が癒えていないのか、私とは目を合わせてくれません。すこしずつ距離が縮まればいいなと思っていたある週末、派手な見た目の女性が家にやってきました。

 

ハルトさんの話によると、女性の名前はレイカさんといって、ハルトさんが勤務する会社の社長令嬢なのだそう。亡くなった奥様とも仲良しで、昔からよく家に遊びに来ていたのだとか。

 

玄関先で迎えた私を見て、レイカさんはハルトさんに「誰? この人」と言いました。家政婦だと紹介されると「そんなの雇わなくても家事は私がやるのにぃ!」と不満そう。

 

そんな様子を見て、私は彼女がハルトさんに気があることをすぐに察しました。ハルトさんは端正な顔立ちで、物腰柔らか。しかも、外資系企業に勤務していて高収入とくれば、モテるのも納得です。

 

私、敵視されている!?

レイカさんの私を見る目は冷たく、ハルトさんの目を盗んで「色目つかったら許さないから」とポツリ……。もちろん私は家政婦としてここに来ているのでそんなつもりはありませんが、気分の良いものではありません。

 

その日、私が人数分の昼食を作ると、ハルトさんは大絶賛! それが面白くなかったのか、レイカさんの嫌がらせがスタートしてしまったのです。

 

家に来るたび、2人きりになったタイミングを見計らって、暴言を吐いたり物を投げつけたりしてくるレイカさん。重箱のすみをつくように、私の家事に文句を言います。

 

女の本性

そんなある日、近くで私を心配そうに見つめているリクトくんを見つけました。「大丈夫? 助けられなくてごめんね。ママのときも、ぼく……」そう言って大粒の涙をこぼすリクトくんを、私はやさしく抱きしめました。

 

落ち着いたリクトくんに話を聞いてみると、どうやら奥様もこうやってレイカさんから嫌がらせを受けていたそうなのです。ただ、レイカさんはハルトさんが務める会社の社長令嬢……仕事に影響しないように、亡き奥様はリクトくんにも口止めしていたそうです。


「私は大丈夫! 安心して」とリクトくんに伝えると、ほっとしたような顔を見せてくれました。その日以来私たちの距離はぐっと縮まり、リクトくんのお誕生日のお出かけにも同行させてもらうまでになりました。

 

「本当のママみたい! ずっとうちで働いて!」と言ってくれるリクトくんがかわいくて仕方がありません。

突然のプロポーズ

そんな状況をレイカさんが許すわけもなく、嫌がらせはエスカレート。私はいつものようにスルーしていたのですが、あるとき仕事を中抜けしてきたハルトさんに見られてしまい、レイカさんの本性がバレてしまいました。

 

レイカさんは動揺していましたが、ついに開き直って「この家政婦を解雇しないなら、パパに言ってハルトを解雇してやる!」ととんでもないことを言い始めました。


ハルトさんは「リクトも希望しているし、僕は彼女に結婚を申し込むつもりだから、解雇で構わないよ」とびっくり発言! ハルトさんの言葉に、私とレイカさんは違う意味で驚いてしまいました。

 

しかし私のために仕事をクビになっていいわけがありません。私はハルトさんの申し出を、断りました。

ワガママ令嬢の末路

ハルトさんは諦めませんでした。すぐに社長に電話してことの顛末を告げると「そんなことで解雇にしない」と社長はキッパリ言ってくれました。レイカさんのわがままは受け入れられず、優秀な社員だったハルトさんは職を失わずにすんだのです。

 

「いいよね? 一生僕と専属契約で」とハルトさん。ワナワナ震えるレイカさんの前で、私たちは結婚の約束をしたのでした。

 

レイカさんは自分の思った通りにならず、悔しかったことでしょう。今後は父親の肩書をかさにするようなことはやめてほしいなぁと願ったのでした。

 

 

レイカさんのようなやり方では相手の気持ちを手に入れることはできないのではないでしょうか。仕事も恋愛も人と人との関わり合い。誠実に向き合ったことが、良い結果につながったのかもしれませんね。

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