私には2歳から10歳までの子どもが4人います。10年前に初めて新生児と対面し、新米ママであっても命を守って育てていかなければいけないプレッシャーに晒されつつも子どもを育ててきました。
理想とされる育児法は世の中にあふれています。10年間子育てをしてきて、私が感じた理想と現実の折り合いのつけ方についてお話しします。
ネット社会と育児
第一子を産んだ10年前はスマホもなく、パソコンを開いてネットにつながる状況でした。そんななかで私は、大学で学んできた小児心理学・発達心理学・教育心理学などの知識を生かしながら必死に子育てをしていました。
それがあっという間にスマホが定番となり、今では手元の画面を見れば情報を得ることができます。かんたんに情報を検索できるなど、便利な反面、世にあふれる育児情報に悩まされることも増えていました。
理想の母親像とかけ離れている自分
スマホで育児コラムなどを読んでいて目にするのは、「親は一貫性が大事」「大声・感情でしからない」など、現実の私とは正反対の理想的な育児のことばかり。
生理や病気のときなど、気持ちが不安定なときには、どうしても感情が先走ってしまい、イライラしてしまうこともあります。ネットを見ていると、世の中には完ぺきで理想的な母親ばかりがいるような気がして、自分がダメな母親に思えることも少なからずありました。
私の行き着いた理想と現実の折り合いのつけ方
10年間の子育てを振り返って私が思うことは「育児は愛があれば修正できる。理想のママでなくても大丈夫!」ということです。
心理学を学んできた私は、自分の喜怒哀楽の感情に向き合うことも大事だと思っています。感情が先走って子どもを怒ってしまったときは、「ママ疲れているみたい。ごめんね」と素直な気持ちを伝えながら子どもたちに接しています。子どもたちは「ママだって疲れちゃうよね。なにか手伝おうか?」なんて、大人顔負けのなぐさめをしてくれます。自分はダメな母親だと感じたこともありましたが、心やさしい子どもたちに育ってくれています。
理想の母親像と現実がかけ離れていても、愛情を持って接することができれば思いは伝わり、子どもたちは自ら育っていくんだと感じています。これからも肩肘張らずに楽しんで育児をしていけるといいなと思っています。(TEXT:ママライター武山あゆみ)