期間限定ではありますが、夫が地方に赴任することになってしまいました。義父母からマンションを購入してもらったため家を空けるのはしのびないと、夫は単身赴任することになったのです。
義両親からは住むところの世話だけでなく、月々生活費も援助してもらい、とても助かっていました。しかし頻繁に家へやってきて干渉してくるので、困ることも……。
夫が言うことには、私ほど義父母に気に入られた歴代の彼女はいなかったと。一応気に入ってくれているのだとわかり、すこしホッとしていました。
初めての結婚記念日に…
特別やることといえば、義父母の相手くらいなので時間を持て余す日々。また義父母から孫の誕生をせかされており、困っていました。
そして、初めての結婚記念日を控えた週末。この機会に「夫の赴任先を訪ねて愛を深めよう」と急に思い立って夫に打診。しかし、夫は自分が自宅へ帰ると言いだしたのです。
夫の久しぶりの帰宅はうれしいけれど、それと同時になんだかあやしい雰囲気も感じて、「私が赴任先を訪ねたら、何かまずいことでもあるのか」と思ってしまいました。
結婚記念日当日は、夫が予約してくれたレストランで食事をする予定で、楽しみに当日を迎え、おしゃれをして出かけました。しかし……夫はレストランに現れなかったのです。
何度連絡しても、応答がなく。結局連絡がついたのは、翌日のことでした。夫が言うには、突然のトラブルで対応に追われていたと……。その上携帯電話まで故障し、私の連絡先がわからず、連絡できなかったと言うのです。
もしかしたら本当なのかもしれませんが、昨夜が私にとってとてもつらい時間だったのも事実。事故にでも遭ったのではないかと本気で心配しましたし、またレストランの店員さんの気遣いに申し訳なさを感じ、とてもいたたまれない気持ちでいっぱいだったのです。
本性を現した夫
改めてお祝いしようと夫は言ってくれましたが、仕事が忙しく帰るのはしばらく先になると……。それならばと、私が赴任先に出向くことを再び提案しました。けれども夫はまた、私の訪問を阻止したいようなそぶりで、私の中で違和感がどんどん増していきました。そして数週間後、私は行動に出たのです。
夫に内緒で、赴任先の部屋を訪れました。するとなぜか、とても若い女性が夫の部屋から出てきたのです。その後、夫に連絡し問い詰めたところ、彼女とは私と結婚する前から付き合っていたと言い出しました。そして、夫からは……。
「年下の彼女が妊娠したんだ」
「悪いけど離婚してくれ」
彼女はもう結婚できる年だと言いますが、そうなると彼女がいくつのときから付き合っていたのか……。しかもこの若さで妊娠。これまで夫がしてきたことを考えると、ゾッとしました。
よくよく話を聞くと、私は夫たちの交際をカモフラージュするためだけに選ばれた結婚相手だそう。私は夫にだまされ、裏切られ続けてきたというわけです。ものすごい怒りがわきました。そして今度は、都合よく離婚しろと?
「は? するわけないじゃん」
「え……」
このまま結婚していたら私がみじめだろうと夫は言いますが、私の人生を一体何だと思っているのでしょう。夫の自分勝手な行動が、どれだけ私の気持ちを踏みにじったことか。私は夫を簡単に許すことはできませんでした。
身勝手は我が身を滅ぼす
その後、私はごねにごねて、簡単には終わらない離婚調停に持ち込んでやりました。しかし数カ月、夫はあっさり離婚を撤回。あれだけ彼女との愛は本物だ、自分には子どもに対する責任があると主張していたのに……。
夫が態度を変えた理由は、義両親にありました。義両親が夫への支援をやめることにしたのです。マンションは私の名義にし、夫への仕送りもしないことに。厳しい義両親にとって、息子が未成年者と付き合っていた過去は受け入れがたかったことでしょう。彼女が結婚できる歳になり、ほしかった孫をおなかに宿しているとはいえ、義父母の理想の嫁像からはかけ離れすぎています。
そんな自分の魂胆がばれてた夫は、彼女との関係をあっさり解消し、今まで通り親から援助してもらおうと方向転換。
本当に彼女のことが好きだったら、親と縁を切ってでも一緒になるべきでした。その覚悟も持たず偽装結婚して、不倫して。親にバレて縁を切られそうだから、やっぱり離婚はやめますって……。私は、そのタイミングで夫に離婚することを告げました。
その後、離婚が成立。すでに彼女に別れを告げてしまい、両親から縁を切られた夫は、もう取りつく島がどこにもありませんでした。今はただただ、慰謝料と養育費のためだけに働く日々のようです。私は社長業をする義父から再就職の世話をしてもらい、マンションも手に入り、夫からは慰謝料を得る予定で、これからはもう少しひとりで楽しく暮らしていきたいと思います。
自分の身勝手な行動で、身を滅ぼした夫。妻よりも愛していると言っていた浮気相手もすぐに切り捨てるのですから、最後に味方がいなくなってしまうのも自業自得としか言いようがないですよね。今回のことをきっかけに、夫には自分さえよければいいという考えを改めてほしいですね。