手術当日の午後1時、夫に加えてはるばる遠方からきてくれた実母に見送られ、猫野サラさんは病室からオペ室へと移動します。手術台に横たわると、麻酔科医の掛け声で硬膜外麻酔が注入されました。その後は全身麻酔に切り替えられ、猫野サラさんが意識を失っている中で、子宮全摘術が進んでいきます。
26.術後の発熱
※心電ケーブル:正しくは「心電図モニター」と言います。
午後1時から始まった手術は、約90分後の午後2時半に終了しました。そのとき全身麻酔によって意識がなかった猫野サラさんに代わり、執刀医は「無事成功しました」と告げながら、猫野サラさんの家族に切り取った腫瘍と子宮を見せます。
あとから聞いた話によると、なんと子宮筋腫の重さは1,268gだったそう。これだけ大きな腫瘍を切除したということはおそらく、猫野サラさんの体はそうとうなダメージを負っていることでしょう。術後に患部の痛みや違和感、発熱が起こるのも納得です。ただ、手術当日は硬膜外麻酔がよく効いていたらしく、痛みはあまり感じなかったそう。
翌日、術後1日目からは早くもリハビリが始まります。
27.トイレ往復
※内診→正しくは検診だったそうです。
※イラストでは省略されていますが、通常、点滴台にはグリップがついており、基本的にはグリップ部分を掴んで移動します。
術後1日目。この日、猫野サラさんは病室とトイレを往復することと、個室から大部屋に移ることの2つを目標としていました。トイレまで辿り着くことにはなんとか成功したものの、めまいや吐き気などの症状があり、他の患者さんに迷惑がかかることを懸念し、大部屋への移動は断念。
水が飲めるようになったこと、尿道カテーテルが外れて自由に歩き回れるようになったことは進歩ですが、高熱やめまいなどの症状がひどく、まだまだ体が回復してきたとは言えない状況です。
28.おなかの痛み
※利きました→効きました
術後1日目は、猫野サラさんにとって非常につらい夜となりました。午後6時に術後初めての食事を終えた猫野サラさんは、午後9時ごろに休もうとしたのですが……おなかがシクシクと痛み始めたのです。
その後、硬膜外麻酔の量を追加してもらっても効かず、痛み止めの錠剤を飲んでも効かず……日付が変わるころには、冷や汗をかくほどの激痛に見舞われてしまいます。
そこで、最終手段として坐薬を入れてもらうことになりました。
29.大部屋に移動
※術後4カ月経ったいま…2016年作画となります。
術後1日目の深夜、坐薬を入れてもらった猫野サラさんは、痛みに耐えているうちにいつしか眠ってしまったそう。翌朝に目を覚ますと痛みは軽くなっていました。もしかしたら、坐薬が効いたのかもしれませんね。しかし……午前10時ごろ、またしてもおなかに激痛が走ります。
猫野サラさんは当時を振り返り、「もっと子宮筋腫が小さいうちに切除できていたら、こんなにひどい術後の痛みに襲われることもなかったのかもしれない」と振り返っています。
そして術後2日目の午後3時、予定よりも1日遅れで個室から大部屋へ移動となりました。
30.シャワー解禁
※弾圧ソックス→弾性ストッキング
大部屋で迎えた術後2日目の夜。この日も猫野サラさんは、下腹部の猛烈な痛みに襲われてしまいます。昨晩と異なり、痛み止めの錠剤を飲んでも坐薬を入れてもらっても、一向に痛みが引きません。
翌朝、術後3日目。目覚めると多少痛みがおさまっていた猫野サラさんは、5分かけてベッドから起き上がります。軽めの散歩と朝食を済ませたあと、背中に入っていた麻酔用の管を医師に抜いてもらい、体中から管がまったくなくなった状態に。同時に、医師から入浴の許可をもらいました。
同日夕方、猫野サラさんは3日ぶりにシャワーを浴びて気分をスッキリさせます。しかし、腹筋に力を入れることができず、お風呂に入るだけでも大変だったそうです。
手術当日から術後3日目までの猫野サラさんは、おなかの痛み・めまい・吐き気・高熱などの症状があり、歩くのすら困難でした。腹筋にはほとんど力が入らないため、いつもできるような動き(ベッドから起き上がる・スムーズに歩く・お風呂に入るなど)ができない状況です。
ただし、術後は早期離床が基本。早い段階でベッドを離れて体を動かすことで、術後の合併症を防いだり、傷の回復を早めたりするメリットが見込めます。
今はさまざまな不調に悩まされて心身ともにつらい時期かもしれませんが、今後の健康を第一に考えると、病院から指示されたリハビリには積極的に取り組んでいきたいところですね。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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