長い不妊治療や、流産を乗り越えてわが子と出会えた感動はひとしおですね。パパとママや家族が待ち望んだ赤ちゃんに名づけられた、愛情いっぱいの名づけエピソードを紹介します。
翼の生えた天使が来てくれました
翼(つばさ)くん
11歳離れたお兄ちゃんが名前をつけました。お兄ちゃんはずっと一人っ子で、まわりには兄弟のいるお友だちばかり。幼稚園のとき、泣きながら「どうして僕には兄弟がいないの。僕だけひとり。」と言われ、不妊治療にふみ切りました。(中略)
なかなか授からず、お兄ちゃんも4年生になりました。「友だちたくさんいるから、もうがんばらなくてもいいよ。おれ一人っ子の方がいいかな〜」なんて気を使ってくれるようにまでなりました。
よくあきらめたころに授かるとたまに聞きますが、うちもそうでした。治療もせずできてビックリ!お兄ちゃんはこの子に「翼」と名づけました。「つばさの生えた天使が来てくれたから」だそうです。
たくさん愛情を注がれて育ちますように
愛々(らら)ちゃん
2回目の体外受精でやっと授かった赤ちゃん。周囲の人からもたくさんの愛情を注がれて育つようにと祈りを込めて。
パパとママのところに来てくれてありがとう
壮真(そうま)くん
パパとママはずっと赤ちゃんがほしいと思っていました。なかなか授かることができず、ようやくきてくれた子はお空に帰ってしまいました。ママは悲しくて毎日泣いていました。それでも赤ちゃんに会いたくて……。
1年後、そうちゃんが来てくれました。壮真という名前は、パパとママの名前を一文字ずつとりました。私たちの大事な宝物。まっすぐな心で、壮大な夢を持ってほしいです。パパとママのところに来てくれてありがとう。
無事に生まれることは本当に尊いこと
寿花(ことか)ちゃん
今回の妊娠の前に、二度の流産を経験して、赤ちゃんがおなかに宿り、無事に成長することがどんなに尊いことかを痛感しました。待望の妊娠がわかり、今度こそ元気に生まれてほしい、心音がトコトコ動いてほしいと、胎児ネームはとこちゃんと呼んでいました。
念願かなって、やっと2618gの小さな女の子が来てくれました。産院でいただくへその緒をしまっておく箱に、大きな「壽」の字があり、まさにめでたく、生まれるということの証の字のような気がして、使いたかった花の字と合わせて、寿花にしました。ことちゃんなので、胎児ネームのとこちゃんをいつも思い出します。(後略)
流産を乗り越えて出会えたわが子
匠海(たくみ)くん
結婚してから9年間ずっと不妊治療をしていました。その前に流産した子がいます。不思議な縁があり、流産した日の1年後に宝物である匠海が生まれました。何かしら運命というものを感じました。流産というつらい思いをしなかったら匠海に会えていないと思うと感慨深いです。(中略)
漢字は、いろいろなことに挑戦し、一生懸命取り組んでほしい、また貫く芯の強さとおおらかで広い心を持った子に育ってほしいとの願いも込めて匠を使い、匠海と決めました。
パパとママのよろこびが目に浮かぶようなエピソードばかりでしたね。愛情がいっぱい込められた名前は、家族の絆をよりいっそう強いものにしてくれることでしょう。(TEXT:樋口由夏)