スーパーで会った高齢女性
とある平日の午前中のことです。娘3人のうち2人は小学校、1人は幼稚園に行っており、1歳の息子と私の2人でスーパーに来ていました。すると、初対面の70歳前後くらいの女性が近づき「あら、ボクかわいいわねー!」と話しかけてきました。
そして「私もね、3人の子どもを育てたんだけど、子どもは多いほうがいいわよ!特に女の子は大人になっても近くにいてくれるから産んだほうがいいわよ!」と言ったのです。
さらに話が続きそうでしたが、これ以上は聞きたいと思えなかった私。「この子の上に娘が3人いるんです」と伝えると、女性は驚き「あら、そう……」と気まずそうに去っていきました。
アドバイスは、人を傷つけることもある
この女性の発言は、目の前の息子が軽んじられているように聞こえてショックでした。また、子どものことは、各家庭で体の問題や将来設計、経済状況などさまざまな事情があると思うので、何も知らない他人があれこれ言うべきではないと思っていたのもあり、少々不快に感じてしまいました。
私にとって子どもは男女関係なくかわいいですし、子どもたちには、将来は親のことは気にせず自分の人生を自由に生きてほしいと思っています。この女性が善意から言ったのか、それとも自分の体験を自慢したかったのかはわかりません。しかし、たとえ善意からであっても、アドバイスは人を傷つけたり不快にしたりすることもあるということを、私は実感しました。
この女性を反面教師に、私は子どものことについて誰かに「~したほうがいい」「~しなきゃだめ」と言わないように気をつけています。そして相手を思いやり、自分の言葉に責任を持ちたいと、改めて感じた出来事でした。
著者:田中久美子
2013年生まれの長女、2015年生まれの次女、2018年生まれの三女、2021年生まれの長男のママ。うっかり者のママからしっかり者の子どもたちが生まれてくれたことに感謝しながら、毎日を楽しく暮らしている。