ウキウキの納車当日
夫が初めての新車を注文してから約半年後、待ちに待った納車の日がきました。夫は納車前日から浮かれていて、「明日は朝一番で車を取りに行こう!」と私を誘ってきましたが、夫の新車にさほど興味がないのと、朝はゆっくり寝ていたかったので断りました。
そして翌日。お昼前ごろに、夫が新車に乗って帰宅。私はダラダラとベッドで至福の時を過ごしていたのですが、「今から新車に乗って出かけよう!」とテンションの高い夫から無理矢理起こされ、しぶしぶ外出する準備をはじめました。
新車の走り心地を堪能する夫
どこに行くとも言わずに、夫は広くて平坦な公道を選ぶようにひたすら車を走らせます。どこに向かっているのか夫に聞くと、「どこかに向かっているわけじゃない。広い公道を走って車の走りを堪能しているだけ」と言われました。
それなら私がいなくてもいいじゃんと思いながらも、おとなしく助手席に座っていること1時間。小腹がすいたので、コンビニに寄ってもらい、おやつと飲み物を買いました。すぐに車の中で食べようとしたら、「車内が汚れるからダメ。公園に行って食べよう」と言われたため、仕方なく近くの公園に行くことにしました。
車内に異変が?
その公園は敷地がかなり広く、園内に池やたくさんの花壇や芝生の広場があり、ファミリーやペットを連れた人が多く訪れていました。私たちは芝生の広場に行って、コンビニで買ったおやつを食べてひと息つき、家に帰ることに。
車を走らせてしばらくすると、夫が「なんか車内、くさくない?」と言います。私は鼻炎であまり鼻がよくないためわからず、「もしかして公園で犬のウンコ踏んだんじゃない?(笑)」と冗談で言ったところ、夫は「絶対それだ!」と叫びました。しかも私が犬のウンコを踏んだと決めつけ、私は踏んだ覚えがないので軽い口論になりながら帰宅しました。
家に到着し自信満々な気持ちで夫に靴底を見せると、そこには小さな泥のような塊が。夫が鼻を近づけてみると車内に漂っていた臭いと同じでした。さすがに申し訳なく思ったので謝りましたが、その日以来、私が助手席に乗るたびに「犬のウンコ踏んでない?」と夫がドヤ顔で聞いてくるようになったので少しくやしいです。
著者/吉野詠美
イラスト/マメ美
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