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夫を奪ったママ友「彼が亡くなったの。遺産は私のものだから!」→私「離婚してないけど?」ママ友の哀れな末路は…

2年前に社長である夫は、幼稚園のママ友と不倫して出ていきました。幼い娘と2人、つつましく暮らしていたのですが、ある日そのママ友から「彼が急病で亡くなったの」と夫の訃報を知らされて……?

テンション高めの声で「彼、つい昨日亡くなったの!」「前から胸を苦しそうにしていたんだけど、忙しいってなかなか病院に行かなくて……そしたら心臓発作で倒れちゃってそのまま……!」と言うママ友。内容とテンションの不一致にとまどっていると、ママ友はそのまま遺産の話をはじめたのです……。

 

遺産はぜ~んぶ私のもの!

娘にどのように伝えるべきか、葬式には私ひとりで行こうかなど、考えあぐねながらも、私は「大変なときに、わざわざご連絡ありがとうございます」と伝えました。

 

「ありがとう、でも余計な心配は無用よ」「彼がいなくなっても、私には彼のたくさんの遺産があるんだもの!」「社長夫人ライフを楽しもうって矢先に亡くなったのは本当に残念だけど、これからは未亡人として楽しく過ごすことにするわ!まずは海外旅行にでも行こうかしら!」とママ友。

 

ママ友のテンションがやけに高かったのは、彼の遺産が手に入るからだったようです。

 

 

「愛する人が亡くなったばかりなのに、遺産の話をするなんて……」と思わず苦言を呈すると、「別に弔ったところで彼が生き返るわけでもないんだし」「天国の彼だって、私が笑顔でいた方がうれしいはずでしょ!」とママ友。

 

最後には「遺産がうらやましくて、ひがんでるんでしょ!」とまで言われ、私は閉口しました。

喪主はまさかの!?

数日後――。

 

夫の葬式については、義実家から連絡がありました。喪服を着て、娘を連れて会場へ行くと……そこには、ママ友の息子の姿がぽつんとありました。

 

会場の人と打ち合わせをしていたらしい義父母がやってきたので、事情を聞くと、朝にママ友が息子だけを置いていったそう。ママ友の息子は小学5年生。「この子を喪主にして!彼の遺産を引き継ぐのはこの子なんだから!」「私は今から海外に行かなきゃいけないんで!あとはよろしくお願いします!」とだけ言って去っていったそうです。

 

あまりの非常識さに、義両親も呆然としてしまったそう。ママ友の息子は、不安からか今にも泣き出しそうでした。

 

話し合いの結果、さすがに小学生の子ども、しかも夫と血のつながりのない子どもに喪主をさせるわけにはいかないと、私が喪主を務めることに。娘とママ友の息子を義母や夫の姉に見てもらい、義父と協力しつつ葬儀を進めました。

 

 

 

遺産は誰のもの?

その後――。

 

海外から帰国したらしいママ友から、「なんでうちの息子を喪主にしてくれなかったのよ!」と怒りの連絡が。「どうせ、遺産がほしくて喪主になったんでしょ!」と言いがかりまでつけられてしまいました。

 

「彼の遺産は全部私のものよw」

「元嫁のあんたは1円も貰う権利は無いんだからw」

「私たち離婚してないけど…」

「え?」

 

 

ママ友は知らなかったようですが、私は夫の妻のまま。遺産をもらう権利は私にあるのです。

 

私のことはともかく、夫は娘のことは溺愛していました。娘とできるだけ変わらない関係でいたかった夫は、私と離婚していなかったのです。

 

「でも、書類関係は全部彼が……」「婚姻届にサインしたら、『あとは全部任せてくれ』って言われて……」とママ友。おそらく、夫は「婚姻届は出しておいた」とでも嘘をついていたのでしょう。

 

「でも、遺言書があるから!『遺産は全部私に譲る』って書いてあるわ!」と言ってきたママ友に、私は「本物かどうか鑑定にだしましょうか」と伝えると「えっ」と声を出し、ママ友は大慌て。

 

 

「……あんたのせいで、私たちは貧乏生活確定よ!」「せっかく優雅な金持ち生活を楽しんでいたのに、天国から地獄じゃない!」「息子の生活はどうなるのよ!」と逆ギレしてきたママ友。

 

「それなら大丈夫、この子の面倒は私が見るから」と返すと、再び「え?」とママ友。

 

「あなた、息子の面倒を全然見ずに、自分ばかりいい思いしているじゃない」「『ママはすぐいなくなっちゃう』『さみしい』って夜泣いてばかりだったわよ!そしてしばらくうちに泊まりたいそうよ!」

 

海外旅行へも連れて行かず、帰国してもすぐに息子を迎えに来なかったママ友。葬儀のときに会ってから精神的に不安定だったママ友の息子は、私や娘と寝食を共にするようになってようやく落ち着き、笑顔も増えてきたのです。そんな子を、またひどい環境に戻す気になれませんでした。

 

「息子の面倒を見るなら、一緒に私の面倒も見てちょうだいよ!」となおも食い下がるママ友に、「あなたにはびた一文もやりません!」とぴしゃりと言い放ち、私は電話を切りました。

 

 

その後――。

 

夫の経営していた会社は、副社長がそのまま繰り上がって社長に就任することに。ママ友の息子は、何度かの話し合いの末、本当にわが子として私が育てることになりました。

 

夫の遺してくれた遺産はそれなりに多額でしたが、子ども2人を見ながらの生活はなかなか大変なものです。しかし、娘とママ友の息子の成長を感じると、あの選択は間違っていなかったなと思います。

 

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