冬の感染症が大流行しているこの時期、「小児科に行ったらほかの病気をもらいそう」という声をよく聞きます。赤ちゃんと小児科を受診するとき、どんなことに気をつければいいのか、細部小児科クリニック院長の細部千晴先生に聞きました。
待合室にいる時間をできるだけ減らす
小児科に行って病気をもらわないためには、赤ちゃんと待合室にいる時間をいかに減らすかがポイント。それには、「風邪などの軽い症状でかかるときは、大学病院のような大きな病院や、1時間以上待たされる病院・診療所は避けたほうがいいと思います」(細部先生)。
最近は、待合室での滞在時間を短くするために、あらかじめ順番予約・時間予約ができる小児科が増えています。病院に並ばなくても、電話やインターネットで予約ができるため、順番が近付くまで家や車で待機することができるのです。そうした小児科は、待合室が患者であふれかえっていることがなく、病院に行ってからも比較的安心して待つことができます。
おもちゃと飲み物を家から持参する
ほとんどの小児科にはプレイルームがあって、赤ちゃんを遊ばせることができます。でも、なんでも口に入れたがる赤ちゃんは、病院のおもちゃから病気をもらってしまう可能性もゼロではありません。
そうならないようにMyおもちゃを持参しましょう。また、待ち時間が長くなるときは水分補給できるように麦茶などの水分を持って行くのがおすすめ。のどをうるおすことでウイルスの侵入を阻止できるからです。
予防接種や健診は予約外来を利用しよう
予防接種・健診・育児相談など、病気以外で受診をするときは、予約外来をおすすめします。小児科の中には、通常の診療時間外に「乳児健診外来」「予防接種外来」などの時間を設けていることがあります。
予防接種や健診を目的にした人だけの時間なので、感染症をもらう心配がぐっと少なくなり、予約制であることが多いために待ち時間も軽減されます。
うつさないように配慮することも大事
インフルエンザなどにかかると、こちらが病気をうつしてしまう可能性もあります。小児科によっては、感染力の強い病気の可能性があるときは、周りにうつさないようにとの配慮から、専用の出入口や待合室に通されることも。水痘のようなぶつぶつがある・耳の下が腫れている時は受診に先立って電話し、受付や看護師さんに相談してみましょう。
また、赤ちゃんはマスクができませんが、「ほかのお母さんへの気配りとして、咳がひどいときは、お母さんが赤ちゃんの口に手をあてがってあげるしぐさをすることで、場がやわらぎますね」(細部先生)。病気の赤ちゃんを連れての受診は大変ですが、周囲への気配りも忘れないようにしたいですね。
予約システムは小児科によっていろいろなので、これからかかりつけ医を探すという人は問い合わせてみましょう。病気をもらわない・うつさないように気を付けながら上手に受診したいですね。(TEXT:妹尾香雪)
監修:細部千晴先生
細部小児科クリニック院長。毎日診察に携わる傍ら、クリニックの上階に子育て支援広場を開所し、地域の子育てを支援しています。プライベートでは2児の母。『この1冊であんしん はじめての育児辞典』(朝日新聞出版)、『育児の悩みをラクにするBOOK』(成美堂出版)などを監修しています。