「実は、昨日飲み会の後に、あんたの恋人にお酒の勢いに任せて告白しちゃったんだよね!」「OKもらちゃったから、結婚式には行けませ~ん!もちろん新郎も参加できませ~ん!だから今日の結婚式は中止!」ととんでもないことを言ってきた親友。しかも、親友は前々から私の婚約者を狙っていたようで……?
新郎が結婚式をドタキャン!?
「えっと……私の婚約者と一緒に居るの?」と聞くと、「結婚式10分間前なのにごめんね?彼ったら飲みすぎちゃったみたいで、トイレにこもって出てこないの」と親友。
「実は、前からあんたの彼氏、いいと思ってたんだよね」「何度か4人で集まる機会あったじゃない?そのときから彼氏も私のことを『素敵だな』って思ってくれていたんですって!」と親友は言いますが、私の婚約者は親友に対してはそこそこ塩対応だったはず……。
「あんたってさ、学生時代は芋臭かったくせに、社会人になってからはちょっと給料のいい会社で働いてるからって調子に乗ってて気に食わなかったんだよね」「私の方が絶対にかわいいし!」と親友。
たしかに、私はファッションに疎く、なかなか垢抜けられませんでした。だからこそ、自分に似合うメイクを研究したり、パーソナルトレーニングに通ったりしてがんばっていたのに……。一番気を許していた親友にそんな風に思われていたなんて……。
結婚式を台無しにしたい親友
「あんたのこと、気に食わなかったから結婚式をどうにか台無しにできないかって思ってたのよね……」「それがまさかこんなにうまくいくとは」と親友。嫌でも親友のニヤニヤした顔が目に浮かびます。
「私も、あんたの婚約者も、式場には来ないからw」
「新郎不在で恥かく前に今日の式は中止にしなさいw」
「新郎なら隣にいるけど?」
「え?」
さんざんな言われようで傷ついたものの、私は絶望はしていませんでした。なぜなら、婚約者が隣にずっといたからです。
親友が告白した相手は…
実は、昨晩飲み過ぎた親友は、同じく飲み過ぎていた夫の親友に告白してOKをもらっていたのでした。それを私たちはほほえましく見送ったのです。
その後、お互いの親友は不在のままでしたが、私たちの結婚式は行いました。親友は失ったものの、最高に幸せな一日を過ごすことができました。
その後――。
親友からは「トイレから出てきたの、あんたの婚約者じゃなかった!親友の方だったんだけど!」「信じられない!すぐに部屋からたたき出してやったわ!」と連絡がありました。
夫の親友はやさしくてとても素敵な人ですが、私の親友は私の婚約者を略奪することが目的。夫の親友の魅力に気付かなかったようです。私は親友に決別の挨拶をしました。今後はもう関わることはないでしょう。一方、部屋から叩き出されて我に返った夫の親友は、結婚式をドタキャンしてしまったことを夫に電話で平謝りしてきました。
笑って許した夫は、私の元親友の本性を自分の親友にすべて暴露。夫の親友もすっかり酔いがさめたらしく、「元親友と付き合うことはない!すり寄って来てももう知らない!」と言っていたそう。一人の親友は失ったものの、本性がわかってよかったと考え、結婚生活を夫婦で楽しもうと思います。