ふみきり? つみきり?
息子が6歳のときの話です。仲良しのお友だちとそのママと一緒に保育園から帰っていたとき、子どもたち同士でしりとりが始まりました。息子が「しりとりの『り』からね~」と始め、お友だちも続けて「りんご」……と仲良く遊んでいます。
そうしているうちに息子の番となり、「つ」から始まる言葉を探すことに。すると息子は「つみきり!」と勢いよく答えます。「え? つみきりって何?」とお友だち。息子は「知らないの? 電車が通るとき車を通せんぼするやつだよ!」とニコニコ。どうやら息子は「ふみきり」のことを「つみきり」と勘違いしているようです。お友だちが「え〜、それは『ふみきり』だよ」と返しても、すかさず息子は「つみきりだよ! 絶対つみきり!」と言って譲りません。その流れで「ふみきり」か「つみきり」かで喧嘩がスタート……。慌てて私が止めに入ろうとすると、ママ友が「知らないの? 踏切って言うんだよ」「そんなことも知らないで、来年から小学生になれるのかなぁ?」と馬鹿にしたように笑ってきたのです。息子は悲しそうな表情をし、喋らなくなってしまいました。空気が凍り付き、しりとりは終了。タイミングよく家も近づいてきたのでバイバイしました。
帰宅後、私は息子に「お友だちのママに言われたことは気にしなくていいんだよ。知らないことがあるのは悪いことじゃないし、これから知っていけばいいの! 小学校はいろんなことを知れる場所だから、楽しみにしてようね!」としっかり説明。息子も落ち着いたようで「うん、わかった!」と納得してくれたのでした。ただ、嫌みなママ友だな……と思った私は、それからそのママ友とは距離を置くことに。子どもたち同士は変わらず仲良くしています。
間違えることは誰にでもあること。失敗を笑ったり、馬鹿にしたりしてほしくないものです。息子が何か失敗したときは、その失敗から息子が学べるように、親としてサポートしたいと感じた出来事でした。
作画/yoichigo
著者:佐野千佳
8歳の息子と4歳の娘を育てながら、週5回パートに出るワーママ。自分のしたいことも楽しむアクティブ系の30代女子。真面目でやさしく研究熱心な息子と、ポジティブで明るくひょうきんな娘に癒やされる日々を送っている。