保護者同士のグループチャットに注意喚起
登校班の保護者同士のグループチャットに1件の連絡がありました。その日に送り出した当番の保護者からです。「マンションのロビーのドアを不必要に叩いている子どもがいました。このようなことがないよう、みんなで注意していきましょう」という内容でした。
後ろのマンションの子どもたちはうちのマンションの鍵を持っていないため、ロビーに入ることができません。後ろのマンションの子どもが来たら、うちのマンションの子どもたちがロビーのドアの鍵を内側から開けてあげることになっています。
保護者からの連絡を見て私は、後ろのマンションの子どもがドアを開けてほしくて叩いていただけなのでは?と思いました。そのときは、きっと誰かがちょっとしたイタズラでドアを開けてあげなかったのかな……くらいに考えていたのです。
真相がわからないのに憤慨する保護者…
その後、うちのマンションのドアを叩いていたのは、後ろのマンションのAくんであることがわかりました。Aくんが自身の親に、自分がロビーに入れてもらえずドアを叩いたこと、見送り当番の保護者に注意されたことを話したそうです。
Aくんの保護者からは、「自分の子どもだけが保護者から注意されたのか」という確認のメッセージがグループチャットに届きました。その日に当番であった保護者は、状況判断した上でドアを叩いていたAくんのみに注意したことを伝えました。
すると、「うちの子をいじめておいて、平然としている親の子どもとうちの子を一緒に学校へ通わせることはできない。今後も一切、我々家族と関わってほしくない」という内容のメッセージが届いたのです。
いじめの有無について事情もまだ明らかになっていない中、「裁判を起こすことも辞さない」という発言もあり、私は信じられませんでした。
他の保護者が子どもたちに確認したところ、Aくんも逆に誰かをロビーに入れないなどのイタズラをしていたようですが、子どもたちの言い分なので真相はわからず、うやむやに……。
誰にでも起こり得る客観性の欠如
Aくんの保護者は事実を確認しようとした他の保護者や、間に入って話し合いをしようとした学校の先生方の話に耳を傾けることはありませんでした。Aくんは、Aくんの保護者の希望により、登校班を脱退し個別登校が認められました。
しかしその後も、Aくんの保護者は登校班の子どもたち全員がAくんへのいじめに加担していたと思っているのか、かなり敵対心が強く……。同じエレベーターに乗った子どもに、「私たちを避けてるんじゃねーのかよ!」といった言葉を投げつけたりしています。
自分の子どもがもし同じ状況にあったとしたら、わが子の話だけに耳を傾け、状況を俯瞰する意識を失ってしまうことは誰にでも起こり得ることかもしれません。実際、子どもたちだけの証言では事実はわからないことが多いです。
だからこそ、関わった子どもたち全員が安心して楽しく過ごせるよう、保護者同士が冷静に対応することが大切だと感じました。Aくんが小学校で楽しく過ごせることを祈るばかりです。
著者:山田さくら/40代女性/2013年、2017年生まれの男子2人の母。CAとして全国を飛び回りながら、バリスタとしてカフェでも兼業中。
イラスト:キヨ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年8月)