生まれた赤ちゃんを連れて、神社で「お宮参り」をするご家庭は多いのではないでしょうか。では、浄土真宗のお寺でおこなわれる「初参式」をご存じでしょうか? 赤ちゃんのお祝いの式は、実はお寺でもできるのです。仏壇店に勤務していた筆者が、実際に初参式をしていただいたのでご紹介します。
初参式(しょさんしき)とは?
仏教の一派である浄土真宗で、赤ちゃんが初めてお寺にお参りするときに執り行われる儀式です。私は生後8カ月の娘を連れて夫の実家に帰省したときに、菩提寺(ぼだいじ/普段お参りするお寺)の本堂でおこなっていただきました。
娘のときは私たち家族と義両親だけでおこないましたが、私の知っているお寺では、春や秋など時期を決めて合同でおこなうところもあります。また、浄土真宗以外のお寺でもおこなっているところがあるようでした。
初参式でおこなうこと
お寺の控え室で待ったあと、本堂に入りました。最初にご住職の読経、その後に御文章(ごぶんしょう)という浄土真宗で読まれる本の音読があります。法要と同じように、お経の最中にお焼香をしました。
最後にご住職からのご法話。赤ちゃんへの祝福の言葉や育児への励ましのような内容でしたが、ほのぼのとした雰囲気の中でゆっくりとお話を聞けたのがよかったです。記念品として本やお念珠をいただき、集合写真を撮っていただきました。
式を体験して
浄土真宗のお経のなめらかな音程やおリンの落ち着いた音色が気に入ったのか、娘はずっと静かに抱かれていました。お香の香りや本堂の雰囲気など、貴重な体験になったと思います。
遠方に住んでいる義両親とはなかなか子どものイベントを一緒におこなえないので、喜んでくれてよかったです。親としても仏様やご先祖様にきちんとご挨拶をする機会になり、仏様に見守っていただけるんだという安心感を得られました。
子どものお祝いの行事はいろいろありますが、いくつおこなっても嬉しいものだと実感できた式でした。初参式をご存じない方も多いと思いますが、ご家族で赤ちゃんの初めての仏縁を祝福される方がもっと増えると嬉しいです。
著者:霧山いずみ
結婚を機に販売職を退職し、地方で寡黙な夫とおしゃべりな娘と3人暮らし。子育てをしながら、ママさんコーラスの活動と記事執筆をおこなう。