パパのお迎えに驚いた息子は…
長男が5歳のころ、夫は残業が多く平日の帰宅は大抵息子が寝たあとのため、息子とほとんど会う機会がありあせんでした。土日も育児は基本的に私に任せっきりです。そんなある日のこと、夫がめずらしく定時で上がれるというので、息子と関わるいいタイミングになるだろうと思い、保育園のお迎えをお願いしました。
夕方18時ごろ、仕事を終えて家に着き夕飯を作ろうとすると、夫が書斎から出てきます。しかし、息子の姿はありません。私は驚き「ひとりなの? 息子のお迎えは?」と聞くと「よく考えたらさ、俺ひとりで行くの恥ずかしいって。勝手がわからないし、周りはママばかりだから嫌だよ。運転は俺がするからついてきてよ」とブツブツ。「ほかのパパさんだってよく送迎してるし、恥ずかしくないよ。今から夕食作るんだし、分担したほうが早いでしょ」と説得しますが、「俺がどこに駐車して、どこの部屋に迎えに行くかわからないで困っていいのか? わからないだろうが!」と逆ギレして、頑なにひとりで行こうとしないのです。息子のクラスの場所などは事前にすべて説明したはずなのに……! とイライラしましたが、このままだとお迎え時間に間に合いません。結局車に乗せられて2人で行くはめに。
保育室まで私の後ろをぴったりと歩く夫は、息子を見つけたとたん「今日はパパがお迎えだぞー! うれしいだろー!」と声をかけました。すると息子は「パパー! おしごとクビになっちゃったの?」と心配そうに言うのです。息子の大声に周りの保護者や保育士さんも振り返ります。夫は慌てて「クビじゃないよ! 仕事を早めに終わらせたんだよ」と説明。「なんで? パパいつもおそいのに! いっぱいおこられちゃったの?」と聞く息子を抱きかかえて急いで車に戻る夫を見て、私はかなりスッキリしました。
息子に聞くと、「パパはお仕事が苦手で居残りをしている」と思っていた様子。今回の出来事をきっかけに、夫は積極的に息子と関わる機会を増やすように。基本的に残業で遅いですが、週に1回は早く仕事を切り上げるように頑張っているよう。早く帰れた日は、保育園の送迎をして息子とたくさん会話をするようになりました。息子はパパと過ごす時間が増えてうれしそう。さらにお休みの日には2人でお出かけまでするように!
息子にみんなの前で予想もしていないことを言われ、今までの息子との向き合い方を考え直した夫。私から言うより、息子や第三者からの発言の方が効果があるものだと勉強になった出来事です。
著者:松下 りさ/20代・ライター。音楽が大好きでおしゃべりがじょうずな、1歳半の女の子を育てるママ。子どもが寝たあとに、ひとりでネットショッピングをするのが至福の時間。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年7月)