45歳で久しぶりの再就職
私の叔母は、あん摩マッサージ指圧師の資格を取得後、病院で勤務していました。結婚を機に退職し、専業主婦になり3人の子どもにも恵まれ、家事育児に全力を注いできました。
45歳になった叔母は、「専業主婦をやり切ったから、次は思い切って外で働いてみよう!」と、末っ子が専門学校に入学するのを機に、社会復帰を決めたそうです。ブランクはあったもののすんなりと就職先も決まり、再びあん摩マッサージ指圧師として勤務することになりました。
叔母の仕事は、外来患者のマッサージがメインで、久しぶりに外で働くのはやはり気疲れが大きかったようですが、社会に必要とされている感じもあり、うれしかったそうです。
久しぶりの職場復帰に緊張している叔母に、病院内のことをいろいろと教えてくれたのが叔母よりも8歳年上で理学療法士などの助手をしているAさんでした。人当たりがとてもよく、なじみの外来患者からも人気があったそう。Aさんと休憩時間を一緒に過ごすことが増え、いろいろな話をする内に仲を深めていったそうです。
Aさんにちょっと違和感が…
休憩時間、叔母が「この間、こんなことがあったんです」と話すと、「えー! そうなんだ。実は、私もこの前同じようなことがあったのよ」とAさんは言うものの、それは叔母の話とほとんど同じ。最初は「そんな偶然もあるんだ」と叔母は思ったそうですが、それ以降どんな話題であっても「私もさ」「私の友だちもさ」と話の内容はかぶり続けます。
「Aさんのほうが年上だし、本当に同じことが起こるのかもしれない。でも、こんなに続くとなんか不気味だな」と、不審に思った叔母はそこからプライベートなことを話すのをやめたそうです。
また、Aさんは院内スタッフや患者さんの情報をよく知っているウワサ話好きな人だとわかりました。事あるごとに「あの人はさー、」という悪口になります。「Aさんに話を合わせると、他のスタッフから私も悪口を言ってると誤解される」と悟った叔母は、当たり障りのない返事だけするようにしたそう。
そして、Aさんは叔母の持ち物や食べ物までもチェックするように……。叔母が休憩時間に食べていたお菓子と同じものを次の日に買ってきたり、差し入れで数種類あるお菓子の中から叔母が取るのを待って同じものを選んだりしていたそうです。「私のまねをしないで自分が食べたいものを食べたらいいのに」と叔母はあきれたそう。
「双子みたい」と言われて大ショック!
それからAさんは、食べ物だけに限らず、ハンドクリームやスリッパなど、職場で目にする持ち物すべてを叔母と同じものにしてきたかと思えば、しまいには髪型までそっくりにしてきたのです!
あるスタッフに「Aさんと見た目から持ち物まで同じでまるで双子みたい!」と言われ、叔母はとてもショックを受けたそう。「勝手にまねされてるだけなのに、双子だなんてあんまりだ。ここまでするAさんが怖くてしょうがない……」と、普段は元気な叔母がストレスで体調を崩してしまいます。仕事は好きなのにAさんと関わることが苦痛になり、仕事へ行くのが嫌になりました。
叔母自身、何度も仕事を辞めようとは思うものの、45歳を過ぎての再就職を考えるとなかなか辞める決心が付かなかったようです。しかし、休憩時間になるとAさんからの食べ物・持ち物チェック、誰かの悪口は続きます。結局、ストレスが思った以上に叔母にのしかかり、食欲が落ちて痩せてしまい、出勤前に吐き気がするようになったそう。これ以上、仕事を頑張るのは無理と判断し、約1年半で退職することに。
まとめ
「あのまま我慢し続けて、自分がダメになる前に退職して本当によかった!」と話してくれた叔母。いろいろな場面で、自分に合う合わないはあり、自分の体や心を犠牲にしてまで我慢する必要は必ずしもないと思います。逃げることは決して悪いことではなく、臨機応変にまた新しい道を探して頑張ればいい、と叔母の話から学びました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:山﨑 みさ/30代女性・ライター。産後の物忘れの悪化に悩む、2018年生まれの男の子と2022年生まれの女の子のママ。趣味は甘い物を食べること、緩く宅トレをすること。
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※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年8月)
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