ベトナム人の妻と日本人である私の間に生まれた娘。ふだん私たち夫婦は日本語で娘と接していたのですが、いつの間にやら娘は日本語はもちろん、ベトナム語も理解し始めていたのです。そのときの娘の様子や、妻がどのように娘と接していたのかをお伝えします。
言葉を理解し始めた生後10カ月ごろの娘
娘が生後10カ月のころ、私たち夫婦が「ばいば~い」と声をかければ娘はクリクリっと片手を振り、「ばんざ~い」と言うと両手を高く上げるようになりました。それ以外にも「上手ね~」という声かけには笑って拍手をして見せ、「チューして」と言うと、娘は口をとがらせて顔を近づけてくるように。
そんな娘を見ながら私たち夫婦は「いろいろな言葉が分かるようになってきたね」と娘の成長ぶりを喜んでいました。
娘がベトナム語を理解している!?
あるとき、手放し立ちに成功した娘に向かって、妻が「フォアンホ~!」と声をあげると、娘が満面の笑みで拍手をします。私は妻に尋ねました。
私「ホアンホーって何?」
妻「上手ですね~という意味よ」
私「この子は意味がわかってるの?」
妻「もちろんよ(笑)」
私も妻をマネて「フォアンホ~」と言うと、笑って拍手をする娘。たしかに娘は「フォアンホ~」と「上手」が同じ意味であることを理解していたのです。
楽しく遊びながら覚えた!
妻の話によると、私が仕事で家にいない間、妻は毎日娘にベトナム語で語りかけて遊んでいたとのこと。娘は、妻が発するベトナム語の理解が深まるにつれ、ママと楽しく意思疎通できることがよほど嬉しいのか、言葉に対する興味が一段と強まりました。
そして1歳半になった今では、ベトナム語での返事や数まで数えられるようになったのです! もちろん、ベトナム語がまったくダメな私が娘と遊ぶときは、日本語を使ってキャーキャー遊んでいます!
娘の頭の中で2カ国語がどのように処理されているかは到底分かりませんが、子どもには「楽しい!」「嬉しい!」と感じることであれば、スポンジのように何でも吸収してしまう力があるようです。
著者:富士山ひでのり
一男一女の新米パパ。ベトナム人女性との国際結婚。会社員として勤めるかたわら、家事や育児に関する体験談を執筆中。特技は、即興の物語で子どもを寝かしつけること。