倒れそうな私に気づいた厳しい先輩は…
仕事中に突然つわりが。しかし、そのとき一緒に働いていたのはいつも厳しくて避けてしまっていた先輩……。先輩には「その接客だと売れるものも売れないわよ」「もっとはきはき話さないと!」とよく怒られていたので、冷たい人だという印象を持っていました。相談してもきっと「もっとしっかりしないと」と言われるだけろうな……と思い、つらいとも言えず頑張って立っていましたが、だんだんと視界がぼやけて冷や汗がとまりません。ついには吐き気もでてきて倒れそうに。
そんなとき、その先輩が遠くから私の異変に気づいてくれました。先輩はとっさに駆け寄ってくれ、「大丈夫!? 無理しちゃダメじゃない。休憩室で休もう!」と声をかけ、私を抱きかかえるようにして休憩室まで連れて行ってくれたのです。いつも厳しく近寄りがたい存在だったので、思いもよらない行動に私は衝撃を受けると同時に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
その後私は病院に行き、安静にするよう先生から指示が出ました。あのとき先輩が助けてくれたおかげで何事もなく済んだので、先輩には感謝してもしきれません。その一件以来、怖かった先輩とは距離が縮まり、今では家族ぐるみで仲良くしています。近寄りがたい存在だと、思い込みで人を判断するのはやめようと誓った出来事でした。
著者:松下りさ/20代・主婦。音楽が大好きで、お喋りがじょうずな1歳半の女の子を育てるママ。子どもが寝たあとに、ひとりでネットショッピングをするのが至福の時間。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年7月)