生後2カ月ごろになると、予防接種が始まります。その際に必ず説明があるのが「副反応」に関して。ワクチンの種類によって、接種部位の腫れや痛み、発熱や嘔吐や発疹など、さまざまな症状があり、経過観察でよいものから受診レベルのものまであるため、初めて予防接種を受けるときには不安もあるもの。今回は、予防接種の副反応がきっかけで入院することになった赤ちゃんの体験談をご紹介したいと思います。
初めての予防接種後、40度近い発熱
Rくんが初めて予防接種を打ったのは生後2カ月になってすぐ。肺炎球菌とヒブ、B型肝炎、ロタの同時接種をしました。
接種後は特に異常はなく、そのまま帰宅。しかし、5時間ほどが経過した夜8時ごろに発熱し、11時を過ぎたころには39度後半にまで熱が上がりました。
母乳もまったく飲めず、ずっと眠っていたというRくん。もしかして予防接種の副反応だろうかと心配になった母のMさんは近所の救急外来に電話をかけましたが、「緊急を要するような症状ではないので朝になったらかかりつけの病院に行くように」との指示を受けて、朝まで見守ることになりました。
そのまま大きな病院で入院することに
そして翌朝、かかりつけの小児科へ。するとRくんの診察をした医師から「すぐに大学病院へ行くように」との指示があり、その足で向かうと、高熱で体力が奪われているのと脱水症状を起こしていることから即入院に。検査の結果、肺炎球菌ワクチンの副反応との診断が下りました。
医師によると、肺炎球菌ワクチンを打った箇所が大きく腫れており、肺炎球菌の副反応が出やすい体質であることと接種当日の体調が関係して、症状が重篤になったのではないかということでした。
二度目を接種するべきか悩み…
その後、Rくんは1週間入院し、熱が下がって体力が回復してから退院。いつも通りの生活に戻ることができました。
Mさんが悩んだのは、肺炎球菌の二度目の接種のこと。医師からは「次も副反応が出る可能性がある」と言われており、それでも受けさせるべきか否か、いくつもの病院をまわって相談しました。
その結果、医師たちからは「副反応のリスクよりも、接種しないことでその病気にかかった場合のリスクのほうが高い」との総意があり、二度目も接種することに。ただし、前回のかかりつけ医ではなく、入院をしていた大学病院と提携している小児科で打つことにしました。 結果、やはり接種後に38度の発熱がありましたが、前回のように重篤になることはなく、その後三度目も無事に接種できました。
Mさんは「その予防接種が子どもの体質に合うか合わないかは打ってみないとわからない怖さがあると実感しました。初めて打つときは、万が一、夜間救急へ行くことになったり、入院することになったときのために、夫が出張で不在にするタイミングなどは避けたほうがいいなと思います」と振り返ります。
初めての予防接種のあとは、いつも以上に赤ちゃんの様子に注意を配り、いつもと違うところがあれば速やかに医療機関へ連絡をするようにしたいですね。
一児の男の子を育てるワーキングマザー。病気ネタやママ友ネタなど、ペンネームでリアルな体験談を執筆中。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。