彼から謎の指示が
交際開始からちょうど2年を迎えるころ、私たちはテーマパークに出かけました。
閉園時間が近づいてきたときです。彼が「帰る前にトイレに行ってきてもいい?」と言うので、私もついでにと思い、2人ともトイレに行くことに。用を足して女子トイレから出た私は彼と合流するつもりが、周辺を見渡しても彼の姿がどこにも見当たりません。もう少しかかるのかな……と思って近くのベンチに腰かけて待っていると、なぜか彼から電話がかかってきました。
そして唐突に「かばんのポケットの中を見てみて」とだけ告げられ、電話がプツッと切れました。何事かと思いつつもポケットを見てみると、私の知らないうちに1通の手紙が……。さらにそのあと私のスマホに彼からメールが届き、「手紙を読んだら~へ来て」と次の指示が書いてあります。
手紙の内容
まず、手紙の外見を見た私はびっくりしました。封筒が、テーマパークのキャラクターが着ている服のかたちになっているのです。あとで彼に確認したところ、「普通の封筒より喜ぶかなと思って作ったんだ」とのこと。私がそのキャラクターが好きなので、わざわざ手作りしてくれたそうです。
そして、手紙には今までの2人の思い出がずらっと書いてあり、最後に私への気持ちが書いてありました。「これからもずっと一緒にいたい」と。うっすらと鉛筆で下書きした跡を見て、頑張って書いてくれたことがひしひしと伝わってきました。
ちなみに、彼から手紙をもらったのはこのときが初めてです。
彼と合流すると…
手紙を読んで感動した私は次に起こることを予想しながら、彼に指定された場所へと向かいました。するとそこには、緊張からかやや表情が引きつりながらも笑顔を浮かべる彼が。私が「きたよ」と言うと、彼は事前に準備してくれていた指輪を取り出し、私の左手薬指にはめながらプロポーズをしてくれました。指輪のデザインもテーマパークのキャラクターを意識して作られており、私のことを考えてここまで入念に準備してくれたのだとわかって、心からうれしかったです。
ただ、もちろん指輪もうれしかったのですが、あえて言うのならば彼が書いてくれた手紙のほうがよりうれしく感じました。理由は手紙を書くことが苦手な彼が頑張って書いてくれたから。そして彼の本心が書かれていた気がしたからです。
このときもらった手紙は私の宝物となり、結婚して数年が経った今でも大切に保管していて、つらくなったときに何度も読み直しては元気をもらっています。
彼からもらった手紙はとても気持ちがこもったものだったので非常に感動しましたし、私もここぞというときには手紙を書いて彼に気持ちを伝えたいなと思いました。こんなにも私のことを考えて素敵なプロポーズをしてくれた彼には感謝していますし、彼と結婚できて本当によかったです。
著者:松谷 えりな/30代女性・4児のママ。教員免許保持。子ども4人と夫、ペットのわんちゃん1匹と暮らしており、趣味は子どもたちといろいろな公園へ遊びに行くこと。
イラスト:おんたま
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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