会陰切開は産後も痛い?! 痛みを和らげる方法とは?!

2018/08/14 19:00
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この記事では、会陰切開について医師監修のもと解説します。出産のとき、特に赤ちゃんの頭が出る瞬間に、会陰の中心部分へ強い圧がかかるため、​必要に応じて会陰の中心部分にあたる腟口と肛門の間の皮膚に切れ目を入れる医療処置をおこないますが、これを会陰切開といいます。
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会陰切開

病院のベッドで生後間もない赤ちゃんと横になるママのイメージ

 

出産が近づいてくると会陰切開について、できれば避けたいなと不安になってくる方もいるのではないでしょうか。痛みには個人差があり、また対処方法もあります。ここでは、会陰切開に伴う痛みについて、会陰部の痛みや違和感への対処方法についてお伝えします。

 

会陰切開に伴う痛みについて

会陰切開をするかどうかということも気になりますが、やはり会陰切開に伴う痛みも気になるのではないでしょうか? ここではそれぞれのタイミングでの痛みについてお話しします。

 

会陰切開をおこなう瞬間の痛み

会陰切開をおこなうタイミングは、まさに赤ちゃんの頭が出ようとしている瞬間で、ママが下腹部に力を入れるために集中している状態のときです。医師が分娩の進み具合を見ながら、会陰切開が必要かどうかを判断します。

 

会陰切開をおこなう直前に、会陰部へ局所麻酔を注射します。その後、陣痛が来てママがいきむタイミングに合わせて切開を入れます。実際に会陰切開を受けた経験談では「陣痛のほうがつらくて早く(会陰を)切ってほしいと思った」「いつ切られたのか気づかなかった」など、感想はさまざまです。

 

会陰切開した部分を縫うときの痛み

無事に赤ちゃんが誕生し、胎盤や卵膜が出たあとに、医師が会陰切開をした部分を縫合します。このとき、痛みが強い場合や傷を縫うのに時間がかかると予測される場合は局所麻酔を追加することもあります。会陰切開の傷を縫うときには、切った部分が治る過程で体内に吸収される糸を使用するケースが多いです。縫合時や抜糸をおこなう場合の気になる痛みは、痛かったという人もいれば、あまり気にならなかった人もいるなど、感じ方には個人差があります。

 

産後に感じる縫った部分の痛み

会陰切開や会陰裂傷の程度によって、産後に感じる痛みの程度は人それぞれです。特に初めて出産をされた方にとっては経験のない痛みであるため、会陰部の痛みや違和感に意識が集中してしまったり、どのような動きをするときに痛みが増すのか予測ができるまで時間がかかるかもしれません。産後は、抱っこや授乳など座って過ごす時間が長かったり、赤ちゃんを抱っこしたまま立ったり座ったりを繰り返す動作が日常的となるため、順調に治っていても、会陰部の痛みや違和感がなかなか消えないという人もいます。

 

会陰部の痛みや違和感への対処方法

個人差はありますが、会陰切開後の傷の痛みや傷を縫ったことによる違和感はあるものです。痛みや違和感が強い場合は以下のような対処法があるので参考にしてみてください。

 

1)医師や助産師へ相談する

縫い目がきつく引きつる感覚がある、ジンジンする、チクチクするなど、痛みや違和感があるときは、抜糸することで改善することもあります。また、痛みが強い場合は、鎮痛剤を処方してもらえるので医師や助産師に相談しましょう。

 

2)縫った部分を清潔に保つ

産後はしばらく悪露が出るため、産褥パッド(産後用のナプキン)を使用しますが、会陰の部分が蒸れやすく、縫合した創部が不衛生になりやすい状況です。トイレへ行ったら産褥パッドを交換して、縫った部分の清潔を保ちましょう。

 

3)縫った部分を刺激しない

縫った部分に、勢いよく流れるシャワーや温水洗浄便座の温水を直接当てないようにしましょう。産後間もない時期は、わずかな水しぶきも刺激となり、痛みを感じることがあります。

 

4)円座を使用する

座るときは円座を使用して、会陰部分の圧迫を避けましょう。産後間もない時期で、入手できない場合は、大きなバスタオルをドーナツ型にして代用してもよいでしょう。入院期間中、円座を貸してくれる産院もあります。

 

5)痛み以外の症状を伴うときは早めに相談する

会陰切開のあとは、痛みに注目しがちですが、分娩によって会陰がダメージを受けたことが原因となって、尿漏れや便失禁、おならが出やすいなどの症状が起こることがあります。これらの症状は会陰切開の有無に関わらず起こりやすい産後のトラブルですので、日常生活に支障を来す場合は、早めに医師や助産師に相談しましょう。

 

※参考:日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン産科編2017日本助産学会「エビデンスに基づく助産ガイドライン妊娠・分娩期2016」『最新産科学 正常編』(文光堂)『最新産科学 異常編』(文光堂)『女性の骨盤』(メディカルプレス)ベビーカレンダー「会陰切開とは?会陰切開にともなう痛みや過ごし方について


体験談

  • いよいよ出産のときがやってきました。「赤ちゃんの頭が見えてきましたよ」と助産師に励まされ、もう少しで赤ちゃんに会えるんだ!と期待を募らせていたときです。医師から「スムーズにお産するために切開しますね」と言われました。会陰切開をするんだ……とショックでしたが、そのときは陣痛の痛みに耐えるのに精いっぱいです。切開の痛みすら感じませんでした。出産を終えたあとは「円座クッション」が手放せませんでした。普通に座ると会陰切開をした部分に痛みを感じますが、円座クッションのうえに座ると大丈夫でした。痛みの感じ方や回復の早さは人によって異なりますが、私の場合は1週間程度で会陰切開の痛みがやわらぎました。出産後1カ月もすると、痛みや違和感も感じなくなったように思います。出産直後は歩くことさえ困難なほどの痛みがありましたが、きちんと治るものですね。実際に円座クッションを利用したのは2、3週間程度でしたが、あるのとないのでは全然違いました。(田中由惟さん)

  • 赤ちゃんの頭が見えている状態のまま出産が進まなくなったときに、会陰切開を提案されました。自分自身もいきむ体力が残っていなかったため、すぐにお願いしました。切開前に局部麻酔をしたので切開の痛みはありませんでしたが、はさみでジョキンジョキン切られた音は鮮明に覚えています。会陰切開をするとすぐに赤ちゃんが生まれました。縫合前の切開された状態で、赤ちゃんを胸に乗せてもらい、抱っこした記憶があります。麻酔がきれると痛みを感じるようになり、痛み止めを処方してもらいました。トイレの後は、傷口の消毒が必要で、その指導も受けました。数日は会陰部の違和感を感じていましたが、退院後2週間健診まで、特に注意することはありませんでした。出産前の会陰切開に対する想像が大きすぎて実際の会陰切開ではあまり怖さを感じませんでした。むしろ、会陰切開のおかげで赤ちゃんが元気に無事に生まれたので、切開してよかったと思いました。(手塚みくさん) 

  • 分娩台に登って陣痛に耐える私に「麻酔をかけて切りますからね」という医師からの声かけがありました。私は不安になるどころか「もうすぐ赤ちゃんに会えるんだ」と、ほっとする気持ちで会陰切開をすることになりました。医師によって局所麻酔が施され、いざ会陰切開! 麻酔をしたこともわからず、驚くほど痛みはありませんでした。麻酔の有無や効き具合にもよりますが、私は赤ちゃんが出てくる瞬間もさほど痛みは感じませんでした。産後も、数日は痛みはありますが、痛み止めを処方してもらえるので、さほど痛みは感じませんでした。(田中麻奈さん)

 

痛みや感じ方はママによって異なるようですね。会陰切開にはどうしても不安を感じてしまう方が多いと思いますが、事前に痛みを和らげる方法をしっかり把握しておくことで不安が軽減されて、出産にリラックスして臨めるかもしれませんね。

 

 

◆関連動画 出産ドキュメンタリー(通常分娩)

 

 

監修者

医師 浅川 恭行 先生

産婦人科 | 医療法人 晧慈会 浅川産婦人科 理事長


1993年 東邦大学医学部卒業、1999年 東邦大学大学院医学研究科博士課程修了。浅川産婦人科の院長を務めるほか、日本産婦人科医会 幹事、東邦大学医療センター大橋病院 産婦人科学講座 客員講師、鶴見大学歯学部 産婦人科学講座 非常勤講師として活躍。


経歴

1993年    東邦大学 医学部卒業
1999年    社団法人日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
2007年    東邦大学医療センター大橋病院 産婦人科講師(病院)
2007年    日本産婦人科医会 幹事
2009年    医療法人皓慈会 浅川産婦人科 理事
2017年    医療法人皓慈会 浅川産婦人科 理事長・院長



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