グイグイ押した出会い
長く付き合った年上の彼と別れたとき私は32歳。結婚に焦り、婚活パーティーに足を運んだり、友人に紹介してもらったり、なんでもこなす日々でした。
そんななか、友人主催の飲み会で出会った彼。子犬フェイスで見た目が私の好みにドンピシャだったこともあり、私はテンションUP。居酒屋でお酒を飲みながら「細身の女の子が好き」と言う彼に「それ私のことじゃん!!」と積極的にアピール。グイグイと迫って、その日のうちにお付き合いすることが決まりました。
最高の出会いから、最悪のデートへ
お付き合いすることが決まったけれど、そのときはお酒が入っていたこともあり、改めて日中デートすることに。
昼前に待ち合わせをして彼の車で公園へ。しかし、私が大好きな韓流アイドルのCDを車でかけようとすると、「俺、韓流アイドル苦手なんだよ」と彼がひと言。サプライズでおにぎりを握っていくも開口一番「梅じゃないよね? 梅なら食べられない」と言われてしまいました。
お酒を飲みながら話していたときは楽しかったけれど、趣味も食べ物の好みも合わないのかも? と初デートは肩をがっくり落としながら帰宅することになってしまいました。
話合わないかも。別れる?
遠距離だった私たちは、その後、主に電話やメールでやりとりするも、共通の話題が見つかりませんでした。野球が好きな彼と興味がない私。読書が好きな私と、興味がない彼。さらに、私たちはお互いの興味に歩み寄ることもなかったので、会話がまったく続きませんでした。
これほどまで会話が続かない人と今までお付き合いしたことがなかった私は「無理かもしれない」と思い、はっきり彼に伝えました。「私たちって話合わないよね……別れようか」。私からお付き合いを迫ったのに、話が合わないから「別れよう」なんて言われたら、きっと彼は私を嫌いになる――。そう思っていたのですが、彼から返ってきたのは、「そんなことないよー。そんなこと言わないで」という、ゆるい返事でした。
嫌われると思っていた私はビックリすると同時に、そのゆるさになんだかキュンとしてしまったのです。
別れ話はうやむやに…
そして、彼の「そんなことないよ」発言から「う、うん、ではまた来週」というような展開になり、別れ話がうやむやに。その後も、別れ話などなかったかのように、顔を合わせていました。
彼も気にしていないし、話は毎回弾まなくてもいいんだと思い、それからは無理やり話題を見つけることをやめました。そして、”恋人とは会話が弾まなくてはいけない、会話が合わないと結婚は無理”と決めつけていたことを実感。
会話の盛り上がりを意識しなくなると、自然体で過ごせる彼と結婚したいと気持ちが高まり、彼も私と結婚したいと思っていてくれたようでした。私たちらしいですが、プロポーズの言葉もなく「来週、両親に挨拶行こうか?」という会話をきっかけに結婚を決めました。
のちに、実は彼は最初から私との結婚を意識していて、素の自分を出していたことが判明しました。通りで恋愛最初のドキドキ感がないはずと、苦笑いしたことを思い出します。
話が合わなくても大丈夫
そんなこんなで話はあまり合わず同じ空間にいるけれど、お互い別々の本を読んでいることも多いです。しかし、長い時間を一緒に過ごすうちにポツポツと会話も増えてきて、好きな共通のテレビ番組が見つかりました。
結婚は「まあいいか」の気持ちが大切だということを夫から教わりました。「そんなことないよー」って言ってくれて本当にありがとう。あのときの言葉に感謝しています。
著者:金子サチ/女性・主婦
イラスト:塩り
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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