認知症の専門病院に通うことになり、薬の種類が増え、今まで朝晩と就寝前だった服薬の時間も、昼が追加されてより複雑になりました。そのまま薬を渡しても、今のあーちゃんの状態では自己管理が難しいと判断したワフウフさん姉妹は、薬の仕分けをしてジッパー付きの袋に入れていくことに。しかし、一生懸命仕分けている最中だというのに「これが朝の分? え? 昼も飲むことになったの?」と質問しながら、仕分け済みの薬をぐちゃぐちゃにしてしまいます。触らないで待つように言っても、返事だけは立派なだけで、数秒後には同じことの繰り返し。これを毎月やるかと思うと、気が重くなります。
大丈夫だよね……?
薬の仕分け中、あーちゃんがお手洗いに行くと言うので、とくに気にもとめずに送り出しました。
しばらくすると、静かな店内にガタガタという音が響き渡り……。
嫌な予感がして駆け付けると……。
音の主はやはりあーちゃん。ドアが開かないと叫んでいます。
試しに開けてみたら……あっさりオープン。鍵がかかってないほうが大問題だと思うのですが……。
もしかして、ドアの開け方を忘れてしまった……?
昔から、手作り・薄味を心掛け、食事管理を徹底していたあーちゃん。外食で和食以外のものを食べるときも、いろいろと言っていました。しかし、最近は味が濃いものを好んでいます。
沈丁花(じんちょうげ)の香りもわからなくなったこともあり、嗅覚の衰えが味覚に影響しているのでは……? と思っていたのですが。
ある日の病院帰り、3人でレモンサワーを飲んでいたときのこと。
あーちゃんは、レモンサワーとビールをすっかり間違えていました……。味も色も違うのに……!? 思っている以上に、あーちゃんは味がわからなくなっているのかもしれません。
飴が欲しいと言うあーちゃんに、姉がキャラメルを渡すと「あんまり甘くない」と言います。……十分甘いはずなのに。
喫茶店で薬の仕分けをしていたとき、あーちゃんが「お手洗いに行ってくるわ」と言ったので、私たちはあまり気にとめず、そのまま薬の仕分けを続けていました。しかし、しばらくすると音楽が流れる静かな店内に、ガタガタという音が響き渡り……。その音の先には「ドアが開かないのよ!」というあーちゃんの叫び声。ビックリしてドアに手をかけると、あっさりオープン……。しかも、お手洗いだというのに鍵もかかっていませんでした。ドアの開け方を忘れたのかと思ったものの、その後もまたトイレに行っていたから大丈夫……はなず!
あーちゃんは糖尿病の持病があるので、ずっと食事は手作りにこだわり、味付けも薄味にしていました。でも、最近はどんどん濃い味付けを好むようになってきているのです。思い返せば、沈丁花の強い香りがわからなくなっていたこともあって、嗅覚が衰えて濃い味じゃないとわからないのかと思っていたのですが……。
先日、あーちゃんの検査に姉と付き添ったあと、3人で食事に行って、みんなでレモンサワーを飲みました。わりと酸っぱいレモンサワーでしたが、あーちゃんはひと口飲んでから「ビールを頼んだのね!」と、ひと言。色も味も、まったく違うのですが……。どうやら、レモンサワーの入ったグラスにビールの銘柄が書いてあったので、それを見てビールだと勘違いしたようです。もしかしたら、思っている以上に味がわからなくなっているのかもしれません……。
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突然ドアが開かないと叫ばれると、何事かと焦ってしまいますよね。今回はすぐにドアが開いたので何事もなかったものの、本当に開け方を忘れてしまう日が来るのかと不安になりますよね。負担は大きくなってしまいますが、お店にいるときはひとりで歩かせないように注意しておいたほうが安心かもしれません。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
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