うまみが逃げない”氷水解凍”
冷凍肉を解凍したとき、赤い汁(ドリップ)が出ることがありますよね。
ドリップの正体は、冷凍・解凍などによって細胞が傷ついて流れ出た水分。お肉のうまみ成分や栄養が溶け出してしまっているので、おいしさが半減して食感も悪くなります。
時間はかかりますが、味にこだわりたいなら氷水解凍が一番。水は空気よりも熱が伝わりやすいため、冷蔵庫で解凍するよりも早く溶けます。
また、お肉の温度が0℃前後に保たれることで細胞へのダメージが抑えられ、ドリップが少なくなりますよ。
解凍方法
保存袋に冷凍肉を入れ、水が入らないようにしっかり密封します。深めのボウルに氷水を入れてお肉を沈ませましょう。
どうしても浮いてくる場合は、お皿などで重しをするのがおすすめ。解凍時間はお肉の大きさや厚さにもよりますが、2〜3時間が目安です。
※途中で氷が溶けてきたら、その都度足してくださいね。
時短&うまみをキープ”流水解凍”
「2~3時間も待っていられない!」という方は、流水解凍がおすすめ。
流水の勢いで食材が動くことによって熱が伝わりやすく、うまみをキープしながら素早く解凍できます。
20〜30分かかるので、その間に家事をしたり、他のおかずを作ったりすると良いですね。
解凍方法
冷凍肉を保存袋に入れて空気をしっかり抜き、口を閉じます。
ボウルに入れて、上から冷水を流しましょう。すべての面に水が当たるようにすることで素早く解凍できます。
ときどき触ってみて、中心が少し凍っている半解凍の状態になったら取り出しましょう。
スピード重視なら”凍ったまま加熱調理”
「いやいや、もうちょっと早くなりませんか」と思っているスピード重視派は、凍ったまま加熱しましょう。
高温の熱を一気に加えることで、解凍ダメージを受けることなく調理できます。
ただし、分厚いお肉をそのまま焼くと表面は火が通りすぎてパサパサ、中はまだ凍ったままの状態になってしまう場合も。
平たくして冷凍した薄切り肉や、1.5cmほどのステーキ肉などで試してみてください。
解凍方法
フライパンに冷凍肉を置き、フタをして中火で片面3分ずつ(合計6分)焼きます。
冷凍肉をそのまま焼くとなると、生焼けや食中毒が心配ですよね。
中まで火が通っているか気になる場合は、フォークや竹串を刺して判断しましょう。肉汁が透き通っていれば焼けている証拠です。
焼き終わったら、フタをしたまま3分ほど蒸らしてできあがり!凍ったまま焼くことで水分を逃すことなくジューシーに仕上がります。
食中毒の危険大!NG解凍法
絶対にNGなのが、冷凍肉の常温解凍。
冷凍庫から取り出して置いておくだけと簡単な方法なので、ついやってしまいがちですよね。
しかし、常温(15〜20度)は細菌が最も活発になる温度のため、食中毒を引き起こす可能性があるんです。
ドリップも出やすく、うまみが逃げ出してしまいます。
また、冷凍や解凍を繰り返すと細菌が繁殖する場合があるので、お肉はその日使う分だけを解凍し、溶けたらすぐに調理しましょう。
3つの解凍テクで冷凍肉をおいしく!
せっかくおいしいお肉を冷凍しても、解凍の仕方を間違えればドリップが出てパサパサの食感に。
味にこだわるなら氷水解凍、時短がいいなら流水解凍、薄いお肉は凍ったまま調理など、シーンに合わせて使い分けてみてください。