一流企業に勤める夫は、昇進コース。「仕事に集中したいから、家でサポートしてくれ」と頼まれて、私はキャリアを諦めて専業主婦になりました。
しかし、だんだんと夫は「お前みたいな専業主婦に俺の努力がわかるわけないだろ」と私を見下すように。昇進したときも「年収0円の嫁にお祝いされても全然うれしくないんだよな」「大企業で活躍してるバリキャリ幼馴染は、お祝いにハイブランドの財布まで買ってくれたって言うのに」と言ってくる始末。
「そんなこと言うなら、私だって働きに出るよ?」と言うと、夫は「いまさら働けるとでも思うのか?」「期待はしてないけど、やるだけやってみれば?」と鼻で笑ってきたのです……。
専業主婦の職探しを馬鹿にする夫の幼馴染
私がパート先を探していると、夫から話を聞いたらしい夫の幼馴染から連絡が来ました。
「あなたの夫から話を聞いて、お仕事を紹介してあげようと思って連絡したの!」「パートとはいえ、経験のない専業主婦を雇いたがる会社なんてなかなかないと思ったから、特別に紹介してあげる!」
夫と同じように、私を見下す夫の幼馴染。結婚式のときに初めて会いましたが、「そのウェディングドレス似合ってな~い!」と笑いながら言われたのは未だに忘れられません……。
「私が働いている会社の下請けなんだけど」「常に人手不足で、無能でもなんでもいいからほしいんだって」「肉体労働で時給は最低賃金のパートだけど、あなたにはぴったりだよね!」
言い方にはムッとしましたが、詳しい内容を聞くと未経験でもOKとのこと。まさに渡りに船だと思い、私はその話にのることにしました。
収入が少ない方が多い方に従うべきと主張する夫
私がパートを始めて半年――。
夫はかなりの頻度で幼馴染と飲みに行くようになりました。私が苦言を呈しても、「俺がいつ誰と飲もうが俺の勝手だろ!」「飲みに行っても問題ないくらい稼いでるんだぞ!」と聞いてくれません。
それどころが、「最近働き始めたからって調子に乗りやがって……」「パートの分際で夫に口出ししてくるな!」と言ってきたのです。さらに「あーあ、幼馴染と結婚してたらお互い大企業勤めのパワーカップルだったのに」「それでこそ対等な夫婦だよなー」とまで……。
「最低賃金のパートのくせに偉そうに!」
「収入が少ないやつは多い方に従うべきだろw」
「じゃ、従ってもらうね♡」
「え?」
私は腰に手を当てて、「私、パートから元請けである本社の社員に抜擢されたんだけど?」と言いました。「は?お前、急に何言ってんだ?」「本社って俺の幼馴染が勤めてる外資系の大企業だろ?」とぽかんとする夫。
「信じられないかもしれないけど、本当だから」「そして稼ぎはあなたより私の方が多いの」「収入が少ない方が多い方に従うんだよね?」
私は給与明細を夫の前に突き付けました。その支給額を見て、「嘘だろ……」「お前はただの専業主婦で、社会経験だってたったの数年しかないのに……」と呆然とする夫。
実は、私は資格マニア。パートとして入った直後から重宝されて、そのまますぐに下請けの社員になりました。そこで売り上げを2倍にした私は、本社に引き抜かれることに。実力主義の外資系だったこともあり、異例の出世が決まったのです。
幼馴染の真の姿
「ちなみに、今はあなたの幼馴染と同じ部署にいるよ」と言うと、「そんなこと、あいつから聞いてないぞ!」と夫。
おそらく、彼女は言えないのでしょう。さんざん馬鹿にしてきた私が正社員になったうえ、一般社員の彼女より上のリーダー職に就いたのですから。
「あいつより上のリーダー職……!?」「何度もあいつの昇進祝いだってしてきたっていうのにあいつが一般社員!?」「あいつは嘘ついてたのか……!」と嘆く夫。
しかし、私の話はこれでは終わりません。「あと、もうひとつ大事な話があるんだけど」と言うと、のっそりと顔を上げた夫。
「私と離婚してください」
離婚を渋る夫に、「収入が少ない方が収入の多い方の言うことを聞くんでしょ?」と言うと黙りました。
その後――。
本社社員になったと同時に、興信所を使って夫と幼馴染の浮気の証拠を集めた私。案の定、2人は不倫関係にありました。
弁護士を通じて、夫と幼馴染には慰謝料を請求。離婚も無事成立しました。夫の幼馴染の方は毎日会社で私と顔を合わせるのが嫌だったのか、いつの間にか辞めていました。彼女と親しかった会社の同僚さん曰く、夫と彼女はその後疎遠になっているそう。周りの目を気にしているのか、それとも夫が彼女の嘘を許せなかったのか……真相はわかりません。
ですが、私は自分を見下す夫と離婚し、とてもスッキリしています。私には今の仕事が天職だったようで、仕事に集中しつつ、楽しく暮らしています。今後は仕事を通じてもっと自分を磨いていきたいと思っています。
【取材時期:2024年8月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。