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妊娠中の旅行はダメなの?妊娠中の旅行計画で考慮すべきポイントは?

この記事では、妊娠中の旅行について、専門家監修のもと解説します。実際は何の問題もなく旅行を楽しんだ妊婦さんの方が多いかと思います。なかには旅先で流・早産してしまったというケースも少なくありません。やはり妊娠中の旅行は慎重に検討する必要があると思われます。

リゾート旅行を楽しむ若い夫婦のイメージ

 

赤ちゃんが生まれたらしばらく旅行ができなくなるから、夫婦水入らずは今だけだからと、妊娠中の旅行を考える方は多いのではないでしょうか。この記事では、妊娠中に旅行に行ってもいいのか、妊娠中の旅行を計画するときに考慮するポイントをお伝えします。

 

妊娠中は旅行をしてもいいのか

最近では「マタ旅」という言葉も使われるようになり、妊娠中の旅行を楽しむプランもたくさんあって、妊娠中の旅行は問題ないように思えます。


妊娠中の旅行を検討している場合は、あらかじめ医師に相談することをおすすめします。しかし、これまでの妊娠経過に問題がなくても、妊娠中の旅行に関して医師は、「自己責任で」と説明されるケースが多いのではないかと思います。


妊娠・出産は病気ではないですし、これまでの経過に問題ないとはいえ、やはり妊娠中は妊娠前とは違い、さまざまな体の変化が生じています。なにが起こるかわからないのが妊娠中なのです。実際は何の問題もなく旅行を楽しんだ妊婦さんのほうが多いかと思います。ですが、なかには旅先で流・早産してしまったというケースも少なくありません。やはり妊娠中の旅行は慎重に検討する必要があると思われます。

 

妊娠中の旅行を計画するときに考慮すること

車で旅行中の妊婦さんのイメージ

 

妊娠中の旅行は絶対にダメということではありません。妊娠中の旅行をする際に考慮しておきたいポイントを押さえ、計画していくことが大切です。

 

時期

妊娠初期は、つわりがあったり体調も不安定なことが多いため、あまりおすすめできません。なかにはつわりがないという方もいますが、そのようなケースは妊娠していることを忘れて、ふだん通りに活動してしまう可能性もあります。


比較的、安全とされているのは、いわゆる「安定期」とよばれる、妊娠16週~27週ころといわれています。しかし、医学的には「安定期」という時期はありません。胎盤が完成することで、妊娠初期よりも流産のリスクは少なくはなりますが、ゼロではありません。「安定期」という言葉の響きが、妊婦さんに安心感をもたらしてしまうかもしれませんが、「安定期=安全」ではないということも心にとめておきましょう。


おなかが大きくなる妊娠後期は、妊娠週数がすすむにつれ、おなかも張りやすくなりますし、からだに負担がかかる可能性があります。


いずれにせよ、妊娠中の体調は人によっても異なりますので、比較的安全とされる時期でも体調によっては控えたほうがよいこともあります。ふだんから自分の体調についてよく理解しておくようにしましょう。

 

行き先

海外旅行を計画する方もいるかもしれませんが、言葉の問題や文化、医療設備・制度などの違いで戸惑うこともあるかもしれません。何かあったときのことを考慮して、行き先を決めましょう。旅先でなにかあったとき、すぐ受診できる産婦人科がないということもあり得ます。すぐに戻ってこられる距離での旅行が安心です。


宿泊先もマタニティプランのあるところだと安心です。宿泊予約の際には必ず「妊娠している」ことを伝えるようにしましょう。


旅行中に体調を崩してしまったり、破水などが起こってしまったりすることも考えられます。旅行先での万が一に備え、旅行先にある産婦人科を事前に調べておくと安心です。海外へ行く場合、海外旅行保険に妊娠中のトラブルの補償があるかを確認しておくようにしましょう。

 

移動手段

移動手段も車や電車、飛行機など、さまざまあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。飛行機の場合、妊娠時期によっては医師の診断書が必要な場合があります。搭乗の際も、万が一に備え、客室乗務員に妊娠していることを伝えておくと安心です。気を使わない移動手段としては車が一番かもしれませんが、車は渋滞すると身動きが取れなくなります。


移動時間が長く、同じ姿勢が長時間続くと、腰が痛くなったり深部静脈血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)になる恐れもあります。同じ姿勢を避け、時々体を動かしたり水分補給をこころがけましょう。


快適な旅行にするためにも、体調や距離、利用する妊娠時期などを考慮した移動手段を選ぶようにしましょう。

 

スケジュール

日帰り旅行はもちろん、宿泊の旅行でも余裕のあるスケジュールで行けるところがよいでしょう。ツアーであれば、一度に多くの観光名所などを巡ることができますが、タイトなスケジュールが続くようなプランだと無理をしがちです。ツアーを選ぶときは、集団行動がメインのプランよりも、自由行動が基本のプランを選び、マイペースで過ごせる旅行先を選びましょう。


せっかくの旅行だからとはいえ、やはり無理は禁物です。余裕をもったスケージュールであっても体調が悪くなることもあり得ます。疲れたらすぐ休むことも、ときには計画を変更することも必要です。


医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

 

※参考:ベビーカレンダー「妊婦さんは旅行に行けるのはいつまで?妊娠中の旅行の選定や旅先で注意したいこととは?」〈 https://baby-calendar.jp/knowledge/pregnancy/1118 〉

 

体験談

  • 「いくら安定期であっても、絶対に安全だという保障はどこにもありません」まず、産婦人科の先生に言われたのはこの言葉でした。先生は、何の前触れもなく胎盤がはがれてしまう「常位胎盤早期剥離」など、赤ちゃんとママの命に関わる異常事態も安定期に起きることがあるのだと、くわしく教えてくださいました。私たち夫婦は、飛行機で1時間弱の韓国や台湾くらいなら大丈夫だろうと、新婚旅行先の選択肢に入れていましたが、先生から「もし海外旅行中に体調が悪くなったらどうするの?」と言われました。そうなんです。海外の病院では保険が利かないため、全額実費になってしまいます。先生は、「里帰りなどでどうしてもという方は仕方ないですが、公共交通機関を使っての長時間の移動はあまりしてほしくないというのが本音です」とも言っていました。私たちは先生に相談した結果、車で1時間弱の広島に旅行先を決めました。近場でしたが、おいしいお好み焼きを食べたりと、とても楽しい旅行になりましたよ。やはり妊娠中は、おなかの赤ちゃんとママの安全が最優先だと感じました。(前田 奈々さん)

  • 転職先が決まり有休消化に入っていたとき、南米への旅を計画しました。行きたくてたまらなかったマチュピチュ、ナスカの地上絵、ウユニ塩湖。やっと夢が叶う!とツアーを申し込みました。そしてそのころ妊娠していることが判明しました。行きたくてたまらなかった南米ツアー。先生に「実は南米行きを計画しておりまして……」というと、あっさり、「勧めない」と言われました。まだ妊娠3カ月に入ったばかりで、自分の感覚としては妊娠前と変わりません。旅行をやめる決意ができない私は、助産師の友人に相談しました。彼女は、すでに出産を経験し子どもがいる、秘境も含めた海外旅行が好きな友人です。結果は、「わたしでも行かないな……」とのこと。理由としては、高山病にかかるかもしれない土地であり体調を崩しやすい、今はないかもしれないが、つわりが始まったら旅行を楽しむどころではない、もちろん流産の危険がある、万が一流産した場合、子宮内部がきれいになっているか確認してもらわなければならないが、ことばも通じない南米でそれは厳しいのではないか…。この回答を聞いて、わたしはキャンセル料を払うことを決めました。今でも、マチュピチュやウユニ塩湖をテレビで見たりすると、行きたかったな……と思います。でも元気に生まれてきてくれた娘を見ると、行かなくてよかったとも思います。娘が大きくなったころ、もう一度、挑戦したいなと思っています。(ヒロコ ラメッシェさん) 
  • 妊娠7カ月のころ、大分体調もよくなってきて、どこかに出かけたいという気持ちになりました。本当は香川県の直島に行きたかったのですが、遠いので夫に反対されて断念。「遠い」という感覚は人それぞれですが、旅行先が海外だと不安が増すので、わが家の場合はまず候補から外れましたが、私たち夫婦はもともと美術館や博物館などでアートを楽しむのが好きだったので、気になるイベントがあれば足を運びました。私たち夫婦は、そこでひとり1つずつ色違いのおみやげを買い、「子どもができて一緒に来たときに、もうひとつ色違いを買おうね」と楽しみにしながら話していました。また新しい思い出が増えて夫婦の絆も深まる機会になりました。(まかおりさん)

 

妊娠中だからこそ、ストレスを減らし、気分をリフレッシュさせるために旅行を考える方もいらっしゃると思います。旅行をする際は医師にしっかり相談のうえ、ママと赤ちゃんの安全が守られるよう配慮した計画を立てるようにしたいですね。

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