息子は虫とり代行じゃない…
息子を連れて公園へ虫取りにでかけたときの話です。しばらくはダンゴムシやアリしか見つけられなかったのですが、粘っていると大きなバッタを捕まえられました。これには息子も大喜び! するとそのとき、公園にいた見知らぬママがニコニコしながら近づいてきます。
私たちが喜んでいるのを見て、一緒に喜んでくれているのかな? と思って私が微笑み返すと、そのママはなんと「その虫、うちの子が気に入っているのでもらってもいいですか?」と言ってきたのです。ママの横には3歳くらいの男の子が虫かごをぶら下げて、モジモジと立っています。とはいえ、このバッタは息子が頑張ってとった虫。私は「すみません。うちの子が捕まえたので、お渡しすることはできませんが、見るだけなら大丈夫ですよ〜」とやんわり申し出を断ります。ところが、ママは「見るだけならいらないです。じゃあ、次は蝶を捕まえてくれませんか? そのあとでまたうちの子の分のバッタにも挑戦してほしくて〜」と笑顔で頼んできたのです。図々しいお願いにびっくりしつつ、私が「この草むらにいっぱいいますから、すぐに捕まえられますよ」ともう一度断ると、ママの表情がサッと変わります。冷たい目で「虫取りなんて野蛮なことをうちの子にさせたくないから、お願いしてるんですけど?」と言ってきました。開き直ったママの態度に私がギョッとしていると、息子が「あっちにバッタいるかも! 一緒に行こ〜」とニコニコと男の子の手を引いていきました。その後もママからイライラした目線を送られているような気もしましたが、息子とその男の子が楽しそうなら良しとして、私も気にしないようにしたのでした。
強引なママの登場につい私も喧嘩腰になりそうでしたが、息子は虫好き友だちが増えたことが純粋にうれしいようでした。価値観が合わないママとは距離を取りつつ、息子の「好き」を伸ばしてあげられるよう、見守っていきたいなと思った出来事です。
著者:立川りか/30代・ライター。6歳の男の子を育てるママ。息子の好きを全力で応援するため日々奮闘中。虫が大の苦手だが、息子の虫取りに付き合ってきたおかげで少しだけ耐性がついてきた。食後のデザートや週末の晩酌がご褒美。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年9月)