上機嫌で七五三の撮影に向かったはずなのに
3歳になった娘の七五三記念に、写真館で撮影をすることにしました。娘に「かわいく変身して、写真を撮ってもらおうね」と予告すると、普段からおしゃれが大好きな娘は「やったー!!」と大喜びです。早速私は遠方の実家から、代々受け継がれてきた着物一式を送ってもらい、娘のサイズに合わせて袖上げをするために夜な夜な裁縫。3歳に似合うヘアアレンジの参考写真もたくさんダウンロードして、入念に準備を進めていました。娘にも「こんな風にお化粧するんだよ」「髪型はどれがいい?」と写真を見ながら事前にしっかり説明。娘もニコニコで、撮影への気持ちが高まっていると私は確信していました。
しかし撮影当日、いざメイク台に座らせようとすると「いーやーだー! 降りるー!」と娘は大暴れ。「お化粧しない! お洋服がいい!」と着物も拒否。あまりの騒ぎようで、おもちゃや絵本、お菓子などを持ってきてもどうにも落ち着きません。
しばらく娘をなだめていると、あとからやってきた3歳の女の子とそのママがメイク室に入ってきてメイクスタッフさんとお化粧を始めました。ママは私たちのほうをチラッと見て「ほら〜あんな子もいるよ。〇〇ちゃんはほんっとお利口ね〜」と自分の娘を褒めています。私はその言葉と視線に恥ずかしくなって、思わず下を向いてしまいました。すると見ていたメイクスタッフさんがすかさず「娘ちゃんの今日のお洋服、素敵だね!」「髪型もかわいい♡」とフォローしてくれたのです。さらに娘が泣き止んだタイミングで「今日着てきたお洋服のまま、一回写真撮ってみる?」と提案し、私服のまま娘を連れてスタジオに入らせてくれて、サービスでワンカットだけ撮影してくれました。結局その日は七五三撮影はできなかったのですが、「気持ちが乗っているときにもう一回トライしてみましょう!!」とスタッフさんが前向きに言ってくれたので、もう一度この写真館に行ってみようと思っています。
娘はメイクのマネやかわいい洋服を着るのが好きなので、七五三撮影もきっとスムーズだと思い込んでいた私。ママ友から話を聞くと、同じような体験をしている人も多く、イヤイヤ期真っ只中の七五三撮影のハードルの高さを思い知りました。私や娘に寄り添ってくれたスタッフさんのおかげで、無理矢理撮影するのではなく娘のタイミングを待とうと思えた出来事です。
著者:長嶺りょう/30代・ママライター。3歳の女の子を育てるママ。寝る瞬間までおしゃべりを続ける娘の横で白目を剥きながら、大好きな推しのことを考えて現実逃避中。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年9月)