生理のときに休むことが多かった友だち
私が高校生だったころ、仲の良い友だちのA子ちゃんは、毎回生理に苦労していました。生理でおなかが痛くなるのは当たり前。ひどいときには目の前が真っ暗になってしまうこともあったそうです。
特につらいのは生理の1日目・2日目だったようで、A子ちゃんはその日に学校を休むことも多くありました。私は彼女から理由を聞いていましたが、彼女とあまり関わりのないクラスメイトの中には、「A子ちゃんはサボり魔」と噂する人も。悪口を言われているのを見聞きしてしまうと、友だちとしては本当に腹が立ちました。
当時、生理の話題はセンシティブで話しにくいことだったため、A子ちゃんも自分が生理で休むことは私などの仲の良い人にしか言えず、それもまた噂を加速させていたように思います。
テスト期間とA子ちゃんの生理が重なると
あるとき、定期テストとA子ちゃんの生理が重なり、学校に出席せざるを得ない状況になりました。生理2日目の一番つらい日に大事な数学のテストがかぶり、A子ちゃんは朝からとても憂うつそうでした。
そしてテストが始まり、しばらく経ったとき……。うしろのほうからガタンッと大きな音が。何事かと振り返ると、A子ちゃんが生理痛に耐えられず、椅子から落ち、床に座り込んでしまっていたのです。
A子ちゃんの身を案じてすぐ反応した私でしたが、テスト中だったため駆け寄ることはできず、テスト監督の先生が、A子ちゃんを保健室へ連れて行きました。
「サボり」と噂話をするクラスメイトに爆発!
結局、A子ちゃんはそのまま学校が終わるまで帰ってこず、どうやら早退をしたようでした。そしてA子ちゃんは再度テスト受けることになったようです。不安に思っていたクラスメイトも多かったため、一部の女子生徒には、先生から「生理痛がひどいみたいでね」とA子ちゃんの体調不良の原因が明かされましたが、そのことを聞いたまたクラスメイトの一部が、「ウソだよ。絶対テストがわかんなくてサボったんだよ」と言い始め……。
これまでは腹が立っても自分の気持ちを抑えられていましたが、このときはなぜかA子ちゃんの陰口を言うクラスメイトのことが許せなくて……。
私は、「あんたは生理がそこまでつらくないからそんなことが言えるんだよ!」と言い返してしまいました。すると陰口を叩いていた子もムキになり、「生理で動けなくなるわけないじゃん!」と言い返してきて、大喧嘩に発展。
すぐさま担任の先生が止めに入ってくれましたが、私の怒りはおさまりませんでした。
今思うと、20年前の高校生は性教育が今よりだいぶ遅れていたなと感じます。同じ女性でも生理に関する認識に大きな違いがありました。今は、インターネットでなんでも調べられ、正しい知識が得られる時代。A子ちゃんのように無理解で苦しめられる子が1人でも減ったらいいなと思うばかりです。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:大野肉美/40代女性・2015年、2019年生まれの女の子を持つ母。趣味はK-POPや音楽活動。日常生活のクスっと笑えるエピソードを読んだり聞いたりするのが大好き。モットーは「一日一笑」。
作画:ちゃこ
監修:助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年9月)
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