不妊治療を共に頑張ろうと決意!
私の友人Aさんは26歳で結婚後、5年たっても子どもができず、不妊治療を始めて2年で1人目を授かることができました。初めての不妊治療は右も左もわからず不安だったものの、夫婦で協力して乗り越えたそうです。
1人目を出産して2年後、Aさんも35歳となり、そろそろ2人目が欲しいと思い夫に相談。すると夫は、「俺も2人目が欲しいなと思っていたよ」と話してくれました。2人で相談し、Aさんの年齢も考えてすぐに不妊治療を始めようということに。Aさんは「また不妊治療一緒に頑張ろうね」と声をかけると、夫も「1人目が無事にできたんだから次も大丈夫だよ」と励ましてくれ、2人目に向けてとてもいいスタートが切れたと思ったそう。
しかし、その話をした数日後、夫婦で産婦人科を受診する予定だったのに、夫は受診日を忘れて仕事の予定を入れていたのです。Aさんは仕事なら仕方がないと諦め、1人で産婦人科を受診。1人目をタイミング法と排卵誘発剤を使い授かったので、同じ方法での治療が決まりました。タイミング法とは、排卵日を予測し夫婦生活をおこなう方法であり、排卵遊発剤は、内服薬や注射剤を使い排卵を起こさせる方法とのことです。
Aさんは、無排卵周期症(むはいらんしゅうきしょう)であり、月経様の出血はあるのに排卵していなため卵巣の機能が徐々に衰え、赤ちゃんができにくくなります。そのため、妊娠を希望する際は強力な排卵誘発作用が期待できる注射剤を用いての治療が必要になるそうです。
卵胞の発育を促すためには、毎日自宅での注射が必須でした。他にも、食事に気を付けたんぱく質やビタミン、発酵食品を多くとり、食事ではなかなか補えない葉酸はサプリで摂取。Aさんは、2人目を授かるために一生懸命努力していたのです。
目を疑う夫の行動で衝突!
ある日、タイミング法を試すため「来週の土曜日にしよう」と夫へ伝えると、夫は「あと10日後だね」と言いながらスケジュール帳にメモしていました。しかし、タイミング法を予定していた2日前に「土曜日、飲み会になった」と連絡が入ります。しかも、会社の飲み会ならまだしも、相手はしょっちゅう飲みに行っている夫の友人だったのです。
さらに夫は「土曜日は友人夫婦を家に招くから準備お願いね」とひと言。Aさんは一瞬耳を疑いました。しかし、その夫の友人夫婦はAさん夫婦の不妊治療の経緯も知っているので、「タイミングをとるのをやめてまで友人を招いて飲み会をするということは、きっと友人夫婦から大事な話があるのだろう」と、夫を深く問い詰めませんでした。
飲み会当日、Aさんはいら立ちを必死に抑えながら友人夫婦を招き入れました。あっという間に時間は過ぎ、飲み会も終盤に。しかし、いつもと変わらない雰囲気にAさんは違和感を覚え、「今日ってさ、何か大事な話があるんじゃないの?」と話題を切り出しました。しかし、友人夫婦は「え? 大事な話? 何もないよ」とまさかの返答が! 夫を見ると、ばつの悪そうな顔をして言い訳が始まりました。友人夫婦が目の前にいましたが、夫の言動に怒りを抑えきれず、Aさんは大号泣。夫は「ごめん」と謝るばかりだったそうです。
話し合いの末、夫婦の出した答えは
次の日、落ち着きを取り戻したAさんから「あなたの気持ちが知りたい。今後どうしていきたいのか教えて」と聞いてみたそう。夫は「2人目は欲しい。でも、1人目も不妊治療を始めて2年くらいでできたから、そんなに焦らなくてもいいんじゃない?」と言われ、Aさんはびっくり。さらに夫から「妊活を頑張ってくれてるのはうれしいけど、焦っているようにも見えて気持ちが重い」と打ち明けられました。
Aさんは夫の思いを知り、頑張っていた自分がまさかそんなふうに見えていたとはつゆ知らずでつらくなり、また大号泣。しかし、自分の行動を振り返ると、2人目の妊活を始めてから、夫婦での会話は注射のタイミングやいつ夫婦生活をするのか、妊活中の食事内容など妊娠を望む内容ばかりで、知らないうちにに夫を追い詰めていたのだと気付いたのです。
2人目が欲しいという気持ちに変わりがないことを確かめ合った2人は、今度は一緒に産婦人科を受診。医師より、「1人目ができたからといって2人目もすぐに授かるとは思わないでください。夫婦で話し合いながら、無理のない治療を続けていきましょう」と説明が。夫は、「すぐにできると思っていたけど、違うんだね」と治療への理解を示し、Aさんへ「妊活を頑張ってくれてありがとう。俺も次こそ一緒に頑張るから」と言ってくれました。これを機に、夫は妊活に協力的に。
そして治療を始めて1年半、ついに赤ちゃんを授かり、無事に元気な女の子を出産しました。
まとめ
2人目の妊活に積極的すぎるAさんの行動に夫がついていけなかったこと、また1人目を無事に授かった経験から2人目もすぐにできるだろうという夫の認識の甘さが衝突を招きました。妊活中の夫婦の温度差についてはよく話題になりますが、Aさん夫婦はきちんと話し合うことで2人のベクトルが同じ方向に向いていることを認識できたのです。
特に妊活はナイーブな内容なので、ひとりでストレスや悩みをため込みがち。しかし、思ったことや気付いたことがあるときは相談をして、パートナーを思いやり協力することが重要です。大切な人とよりよい関係を築くためには、日々のコミュニケーションがとても大切だと感じた話でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:肥後 なな/30代ライター。10年近く看護師として働き、2022年生まれの娘を育てるママ。シュナウザーが大好きで念願のわんちゃんとの生活も楽しんでいる。ママの影響で娘も動物が大好き。
イラスト/あさうえさい
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年11月)
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