ある日、アイはクミに押し切られる形で、自宅でママ友たちとランチ会をしました。するとみんなが帰宅してから、アイは、あることに気付きます。夫からもらった高価な置物と、ユウマの宝物であるブランケットがなくなっているのです。
みんなにメッセージを送って尋ねると、さちえと理沙が「わからない」と答えるなか、「高級ブランドなのにシミのついているやつね?今日は見てないな~」とアイと夫以外知りえないはずのことを知っていたクミ。アイはクミが盗んだ犯人だと確信します。
証拠をつかもうと、罠を仕掛けたうえで、再びママ友3人を家に呼んだアイ。罠として新たなイヤリングを用意した結果、クミが盗みを働く決定的間をベビーモニターでとらえることに成功します。
証拠をつかんだアイは、後日、ママ友3人をファミレスに呼び出しました。イヤリングがなくなったことを話したアイ。クミに「あれ、ブランドものじゃないよ?」と言うと、クミは顔色を変えてスマホを操作し始めたのです。
クミが操作を終えると同時に、アイのスマホの通知音が鳴りました。アイが見せたスマホの画面には、フリマアプリが。クミはイヤリングの購入者に取引キャンセルのメッセージと送っていたのです。購入者がアイだと知らずに……。
さちえと理沙もようやく事態を把握。クミの出品ページには、さちえや理沙がなくしたと思っていたものも掲載されていました。逆ギレしたクミでしたが、アイが盗みの決定的瞬間が映った動画を見せると、ファミレスから逃げ出します。しかし、ファミレスの外には、クミの夫が待機していたのです。
クミの夫はアイたちに頭を下げ、クミを連れて帰っていったのでした。
後日、クミが盗みをはたらいた背景が明らかになると、アイはいろいろ考えさせられて――?
ママ友が盗みをはたらいていた衝撃の理由
クミに盗まれたものたちは、憔悴しきったクミの夫からアイたちのもとへ無事に戻ってきました。なかには売れていたものもあったようですが、発送前だったのです。
クミの夫によると、クミは盗んだものを売ったお金でホスト通いをしていたそう。夫とうまくいっていない悩み、他人をうらやむ気持ちなどからストレス発散で盗みやホスト通いをしていたのです。
「あなたが全然構ってくれないから!」「他のママ友たちは旦那と仲良しで毎日キラキラなのに」
前々から「稼ぎが少ない」「周りの旦那を見てみろ」とヒステリックになるクミにうんざりしていたクミの夫。「私を支えてくれたのはホストだけ」と言われ、離婚を決意しました。
子どもたちの親権はクミの夫に。そして、クミは両親にも絶縁されたようで、残されたのはホスト通いのために作った多額の借金だけでした。
アイは他人をうらやむ気持ちがクミを変えてしまったのではないかと推察します。しかし、みんな同じような悩みを抱えているもの。アイは人と比べずに、自分らしくやっていこうと思うのでした。
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SNSなどの発展により、他人の日常の一部が簡単に見られるようになりました。しかし、それはいいことばかりではないようですね。クミのように、SNSなどを見て、他人と自分とを比較してしまったり、「あの人の旦那さんはいいなぁ」などと羨んだりした経験がある方も少なくないでしょう。自分と同じように、人には人の悩みがあるもの。誰かと比べたりせず自分らしく生きることが、本当の幸せへの近道かもしれませんね。