わが家の末娘は、3,500gと大きく生まれたにも関わらず、兄弟のなかで誰よりも小さく育ちました。3カ月健診で「成長曲線からどんどん外れていますね。母乳は出ていますか? ミルクは足りていますか? 授乳の時間になったら寝ていても起こしてあげてください! そして、来月も経過を見せてください」と言われ、落ち込んでしまった私の体験談をお伝えします。
体重との闘い
上の子たちを育てたとはいえ、「経過を見せてください」と言われたら、「私の育て方がいけなかったのかな?」と、正直落ち込みました。おっぱいが出ていないのかな? 私の食事に栄養が足りていないから? 上の子たちに気を取られていて、あんまりミルクを足していないからかな? と考えてしまうように……。
その日からというもの、授乳中にウトウトしている娘を起こして飲んでもらったり、母乳よりミルクの方が栄養があると思い、ミルクを多めに飲ませてみたりしました。そして毎日、スケールにのせて細かく体重を計るようになりました。
母親としての評価
あっという間に1カ月が過ぎ、経過観察の日を迎えました。神経質になっている私は予約された時間に合わせて授乳し、1gでも多いことを祈って挑みました。しかし、保健師さんからの結果はやはり「あまり増えていませんね。また来月も経過を見せてください」とのこと。
そのときばかりは、「なんで? なんで飲んでくれないの?」と悲しい気持ちでいっぱいになってしまいました。産後すぐの私にとって、ここでの娘の体重の評価は、母親に対する評価という気がしてならなかったのです。
体重の伸びが遅い子、伸びが良すぎる子
落ち込んでいた経過観察後の帰り道、少しぽっちゃりした3歳くらいの男の子を役所の階段で見ました。そこで私は驚きの言葉を耳にしました。「当分、ジュースはダメ! これ以上太ると入院になるよ!」と、その子のお母さんが言っていたのです。それはきっと、その男の子が成長曲線から外れて大きくなっているから「入院になるよ!」と、お母さんは注意の意味で言っていたのだと思います。
そして、このとき私は初めて気が付きました。体重の伸びが成長曲線から外れて指導を受けたときのショックは、娘の体重が増えなくて心配しているのではなく、母親としての評価が低いと言われたように感じたから……。結局は自分のことだけしか見えてなかったんだと。
成長曲線はあくまでも平均が示されている表です。少し平均から外れてしまっただけで、周りと比べて不安になったり、「育て方が悪かったのかな?」と自分を責めてしまっていました。けれど、私は平均より少し小さなわが子を育てて思ったのです。今はもう3歳になり、お友達よりやはり少し小柄ですが、これは彼女なりの個性なんだと。
経過観察の健診は、発達の遅れや問題がないかを早期に気付くためにとても大切なことです。不安に思ったり迷ったりしたときは、その機会を利用してすぐに医師に相談すること。また、わが子を誰かと比べたりすることなく信じて愛し、自信を持ってこれからも子育てをしていきたいと思います。
著者:友永歩美
二男二女、4児の母。子どもたちとの時間を大切にしたいと思い、会社員として働きながら自身の体験談・出産・妊娠についての記事を執筆。趣味は家族旅行。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。