家事と育児には休みがなく、双子をワンオペでお世話する私には、本当に休まるときがありません。その事実を話しているのに、夫は言い訳だと言い張ります。
実は、夫の妹も双子のママです。義妹にできて私になぜできないのかと言いますが、私と義妹は、子育てをしている環境が違います。義実家で義両親や理解のある義弟に手伝ってもらいながら育児をするのとワンオペの私とでは、まったく状況が異なるのです。
それを理解しないことも問題ですが、夫は「自分が食わせてやっている」という自負もチラつかせてきて……。えらそうなことを言うなら、やることを完璧にしてからにしろと私に暴言を吐くのでした。
子どもの存在まで否定する夫
今日は、私の母の誕生日。実家にお祝いに行く予定でした。しかし夫はそれを忘れ、すっかり寝坊。疲れていると思った私は夫に声をかけず、ひとりで子どもたちを連れて実家へ。自分の失態に気づいた夫でしたが、「悪い」とひと言、謝っただけで、自由な時間ができたと喜び、1日中ゲームができるとうれしそうにしています。
出かける時間に、子どもたちのおむつ替えが重なり、慌てて出てきたのであちこちいろいろとやりかけて出てきてしまった私。せめて掃除機をかけてもらえたらうれしいと伝えると、夫は不満の声を漏らしました。
さらに、自分の昼飯はどうなっているのかと、トンチンカンなことを言い出す始末です。一緒に出かける予定だったのに、お昼の支度なんてしているはずがありません。「女なんだから、さっと作れるだろう」「俺のことをないがしろにしすぎじゃないか?」と、とんでもない発言まで飛び出しました。
ある日は、買い物に行く予定が子どもの発熱で中止になり、夫は子どものことを、自分の行動を邪魔する、うとましい存在だと言い放ちました……。
「子どもばっかり優先しやがって」
「俺は出ていくからな!」
夫は、今後一切手伝わない、家からも出ていくと脅してきました。私にとっては願ったりかなったりでした!
「ありがとう!」
「は?」
双子のお世話で手一杯な私は、育児に専念できるから助かると伝えました。すると、生活費を入れないと言われ、さらに脅されてしまいましたが、独身時代の貯金も残っているので、そこは何とかなります。夫は「俺がいるから生活できるんだろう?」と言いますが、私にしてみれば「あなたがいるから満足な生活ができない」のです。
愛している?夫が?私を?
産後、私がえらそうになったと言う夫。たかが育児で疲れているなんてなめている。俺がどれだけ大変か想像しろ。反省しろ。土下座をして泣いて謝るまで絶対に許さない。そう言って、夫は家を出ていきました。
それから数週間が経ち、私は夫に連絡。帰宅するように伝えました。夫は私がようやく謝る気になったと思ったようですが、それはまったく違います。私はただ、離婚届を書いてもらうために帰宅してほしかったのです。
突然離婚と言われ、驚く夫。理由を問われましたが、簡単なこと。離れてみて、夫が必要ないと感じ、いないほうがラクだとわかったからです。それだけのことですが、これは私にとってとても大きな気づきでした。夫がいなければ、食事に文句を言われないし、脱ぎっぱなしの服も食べっぱなしのお菓子も片付けなくていいのです。掃除も汚す人がいないからラクだし、あれしろこれしろとうるさくも言われません。
夫は自分のことが好きではないのかと問いますが、私の気持ちはとっくに冷めていました。それを聞いて、夫は自分は愛していると言います。どの口が言っているのかと驚きました。愛している人がボロボロになっているのに、それを責めたのは夫。私がひとり頑張っているときに、わがままを強要。手を差し伸べようともしませんでした。
最初に父親を放棄したのは、夫のほうです。今まで、面倒に思っていろいろなことをスルーしてきた自分を棚に上げ、私を悪人に仕立てたのも夫でした。さびしい思いをしてきたのは、私も同じことです。つまらないことであっさり家を出て、妻と子どもを見捨てるような男は、夫としても父親としても失格です。
再構築を決意した次の瞬間…
もう1度チャンスがほしいと懇願する夫に、私は、4連休中ワンオペで子どものお世話をするという試練を与えました。判定は、双子ママの義妹。今回、離婚を考えるに至った経緯を義家族にも伝えると、みんな夫にドン引きしていました。
当初は弱腰になっていた夫ですが、育児ごときで疲れている私を非難してきた手前できないと言えず、4連休中の子どものお世話を引き受けました。しかし、1日目から子どもたちが泣いただけで、お手上げの夫。もちろん、家事なんて1つもできていません。家はあっという間に散らかり放題。私は自分が言われたように、「だらしない」と一喝。初めてでうまくできないと言い訳する夫ですが、私だって初めてのことをしてきたのです。そして、さんざん責められました。
夫は、夜も眠れず、食事もままならない生活を何カ月も続けてきた私の大変さにようやく気づきました。離婚されてもいいくらいのことを、自分はしてきたのだとやっとわかった様子です。謝罪し反省する夫は、「変わる」と宣言。私も、もう2度と同じことはしないと約束できるのであればと思ったのですが……。
私の返事を聞いて、今すぐ帰ってきてくれるものだと勘違いした夫は、手の込んだ料理をあれやこれやとリクエストしてきました。買ってきたものばかり食べていたから、何かさっぱりした物をちゃっちゃと作ってくれよと……。ちゃっちゃと? 前言撤回、離婚確定です。
すっかり、自分の家族にもあきれられてしまった夫。離婚しないとごねましたが、義家族に説得されて、関係の再構築をあきらめました。説得してくれた義家族には本当に感謝です。夫との離婚後もずっと良い関係を続けていきたいと思います。
これからは、双子の子どもたちとゆったり楽しい時間を過ごしながら、子育てを満喫しようと思います。
◇ ◇ ◇
産後のうらみは一生と言われますが、その通りなのですね。身体も全快していない大変な時期に、夫の協力を得られないだけでなく、わがままを強要され、責められる生活とは、苦しかったことでしょう。
「変わる」と宣言した矢先に、ちゃっちゃと食事を作れと言う夫。本当に反省したのか、変わる気があるのか疑問ですね。離婚して家族を失って、自分の何がダメだったのかを本当の意味で理解して、改心してほしいものですね。
【取材時期:2024年12月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。