三叉神経痛とは?
「三叉神経」とは主に顔の感覚を脳に伝える神経です。「三叉」とあるように、額~目の上、目の下~上唇、下唇~顎に分かれていて、この神経のどこかに痛みが生じることを「三叉神経痛」といいます。
特徴は「一方だけ」「触るとチクチク」「頭痛薬が効かない」
三叉神経は眼神経、上顎神経、下顎神経に枝分かれしている神経なので、ひと口に「三叉神経痛」といっても痛みの出る場所は異なります。左右どちらか、というケースがほとんどですし、歯肉に出る人は虫歯と勘違いすることもあるようです。
いわゆる頭痛とは異なり、まち針で刺されるような「チクチク」「ツンツン」とした痛みが特徴です。患部の辺りを触るとより痛みを感じるので、洗顔やひげそり、歯磨きなどで痛みが誘発されることもあります。
三叉神経痛は一般的には脳血管が神経を圧迫するのが原因だといわれます。そのため痛みはいきなり生じ、鎮痛剤(ロキソニン、バファリン、カロナールなど)が効きません。これらを飲んでも良くならないのも「三叉神経痛」を疑うきっかけになります。
痛みの程度は個人差がありますが、「何となくずっとチクチクした痛みが続く」と訴える患者さんが多いです。三叉神経痛は私自身もかかったことがありますが、急に強い痛みがくる、というよりは「何だか片側が痛いな、痛みが取れないな」といった違和感がありました。
【こんなときは三叉神経痛かも】
・突然チクチク、ツンツンするような鋭い痛みが顔に生じる
・鎮痛剤(ロキソニン、バファリン、カロナールなど)を飲んでも治らない
・左右のどちらかが痛い
・患部を触ると痛みをはっきり感じる
「三叉神経痛」は耳鼻科や神経内科へ
顔周りの痛みが起こったときは、耳鼻咽喉科や神経内科で診てもらうと良いでしょう。「三叉神経痛」には治療薬があるので、1週間程度服薬することでほとんどの場合、完治します。それでも治らないときは痛みの治療を専門とする「ペインクリニック」を訪れ、神経ブロック(神経に沿って伝わる生体の信号を局所麻酔薬を用いて意図的に遮断することで痛みの緩和を目的とする治療)など一段階上の治療をおこなうことになります。
中年以降に増える「三叉神経痛」
「三叉神経痛」は中年以降で増えますが、これは動脈硬化の影響で神経が圧迫されることが原因だと考えられます。女性の罹患率は男性の1.5~2倍と多く、閉経後のホルモンバランスの変化により神経系に影響が出ること、骨密度の低下で神経が圧迫されやすくなることが指摘されています。
三叉神経痛の有効な予防法はありませんが、処方薬を服用すれば治ることがほとんどです。多くの人がかかる病気ではないので、怖がり過ぎる必要はありません。
まとめ
痛みの度合いは個人差がありますが、「三叉神経痛」は薬で治療できるケースが多いとのこと。症状の特徴を知っておけば、いざというときに早めに対処できそうですね。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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取材・文/中澤夕美恵(51歳)
出版社、編集プロダクションを経てフリーになって約20年。2021年よりスポーツジム通いに目覚め、せっせと運動に励むものの1年で1kgしか減量しておらず、ズッコケる。いつか痩せると信じて今日もジムへ……。