元気印の祖母に起きた異変
祖母宅は私の自宅から車で1時間くらいの場所にあり、休日やお正月、お盆など定期的に帰っていました。行けない月は、電話をして近況を聞いたり、適宜コミュニケーションをとったりして、祖母がさびしくないように私たち家族も気にかけていました。
祖母は、みんなに「元気印」と言われるほど、病気やケガもなく自分のことはすべてでき、自立して生活していました。そんなある日、庭先で小さな石につまずき転倒し、その拍子に左手をついたらしく、「手が腫れて痛い」と母宛てに連絡がありました。
母が病院に連れて行った結果、左手を骨折していることが判明。1週間の入院となりましたが、その後は自宅へ戻ることができました。そして1週間に2日くらいの頻度で、母と私が交代で祖母宅へ行き、状態が落ち着くまで面倒を見ることに。祖母は遠くから来る私たちに気遣い、「大丈夫だから」と言っていましたが、母と相談して祖母の左手が動くまで家事全般を引き受けました。
祖母宅で壁シミが気になり……
そんなある日、私が掃除をしていたところ、玄関、廊下の手すり、居間の壁、トイレの壁と無数にある茶色のシミに気がつきました。祖母宅は築50年以上の古い家屋ですが、台所やお風呂、寝室などをバリアフリーにして適宜リフォームしているので、「そんなに汚れることはないだろう」と思っていました。
しかし、すべての部屋ではなく、決まった場所、決まった部屋のみにその茶色のシミが目立つのです。そのときは、とりあえず拭き掃除をしてそのシミをきれいにしました。
同じ場所についたシミの原因が判明!
そんなある日、いつものように掃除をしているときに、祖母がお茶を入れたり玄関先の花に水をやったり、洗濯ものを片づけている様子を見てハッとした私。その茶色のシミの原因がわかったのです。
あちこち決まった場所についていたその茶色のシミは、なんと祖母の手あとだったのです。高齢により前傾姿勢になった祖母はバランスが取りにくくなり、移動するときはどこかに手をつき、転倒しないように自分の体を支えていました。その際に、玄関先の手すりや廊下の壁に手を当て歩行していたのです。
ここ数日のことではなく、祖母は長い間同じところに手をついて移動していたことを知った私。この手あとの茶色のシミを発見して初めて、祖母が年相応に体も衰弱していたと実感しました。
まとめ
祖母は、高齢でも元気だと思っていた私と母。しかし、骨折を機に祖母の日ごろの何気ない様子に目を向けるキッカケとなりました。一見して家の汚れとも取れるこの茶色のシミは、祖母の体の機能低下の赤信号だったのかもしれません。顔を見て、声をかけるだけではわからなかった祖母の様子を、祖母の生活習慣から教えてもらったような気がしました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:三北奈々子/30代女性・主婦。
イラスト:マキノ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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