私、なんてことを…!?
私が高校生のときのお話です。好きな人にチョコレートを渡したいと思っていましたが、直接渡す勇気はなかったので、バレンタイン当日の朝早く学校へ行き、彼の机の中にこっそりチョコレートを入れておくことにしました。その後、早くきたことが悟られないようにし、学校の玄関前で彼に会った際、「おはよう、今日……机の中見てみてね」と、少し緊張しながらも伝えました。
彼は「わかった」と答えてくれ、私は彼が教室へ着いたであろうころに教室へ行ってみると……。机の中に入れたチョコを取るのに苦戦している彼の姿が。
すっかり忘れていて、声をかけたときも緊張のあまり彼をまったく見ていなかったため気づかなかったのですが、実は彼、このとき利き手の指を骨折していて、手がギブスでぐるぐる巻きにされていたのです。机の中に手を入れようとしても、ギブスが邪魔をして机の奥まで手が届かない様子の彼。彼は必死に手を伸ばし机の中を探ろうとしていましたが、私が奥に入れてしまったこともあるのか、なかなかチョコレートを手にすることができなくて……。机と格闘している彼の姿は、今でも忘れられません(笑)。
それでも、なんとかチョコレートを取ることができた彼。後に「ありがとう」と言ってくれました。そして、このことがきっかけで少し2人の距離が縮まりました。ただ……彼と付き合うチャンスもあったものの、結局付き合うことはありませんでした。
このバレンタインの件は、骨折していたのを忘れて机の奥に入れてしまった私が悪いのですが、今思えば、彼も反対の手で机の中を探せばよかったのでは……?とも感じてしまいます。ただ、反対の手で取ることも忘れるくらい急いで取ろうとしてくれたのかなと思うと、甘酸っぱい気持ちに。私にとって忘れられない青春の思い出です。
著者:小山友紀/40代女性・2児を子育て中の母。年子育児に奮闘中。毎日子どもと寝落ちしています。
イラスト:マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年1月)
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