私の後悔
1歳のころ、息子は顔にシャワーの水がかかることを極端に嫌がるので、毎日のお風呂はとても大変でした。シャワーの水が少しでも顔にかかると暴れて、頭を洗うことができなくなってしまうのです。
そこで私は、息子を抱きかかえて、絶対に顔に水がかからないように、シャワーの水圧を調節して頭を洗っていました。そして顔は、濡らしてきつく絞ったタオルで拭くだけで精一杯。
1歳だった息子が2歳、3歳と大きくなるにつれ、抱きかかえて洗うのも大変になってきてシャンプーハットを試したこともあります。けれども隙間から水が漏れてしまうことがあり、続きませんでした。
やがて5歳になったとき、お友だちと一緒にお風呂に入る機会がありました。そのお友だちはなんのちゅうちょもなくバシャバシャとシャワーを頭に浴びていて、ひとりでじょうずに頭を洗っていたのです。私はその光景に衝撃を受けました。
お友だちのお母さんは、小さいときから水に恐怖心を与えないように、あえて頭からシャワーをかけて頭を洗っていたそうです。このとき初めて私は、息子が嫌がるからと、極端に水がかからないように接しすぎていたことに気が付きました。そして、息子をさらに水嫌いにさせてしまったのは自分のせいのように感じ、とても後悔しました。
しかし、後悔ばかりしていてもしかたがないので、克服させようと息子をプール教室へ通わせることに。始めはなかなか顔を水につけることができませんでしたが、徐々に水が顔にかかっても平気になり、泳げるようになるまで成長しました。そして6歳になったころ、ようやく水への恐怖心がなくなり、自分で頭を洗うことができるまでになったのです。
息子が自ら洗髪したときの感動は、今でも鮮明に覚えています。子どもが小さいうちから苦手なものを親がすべて排除してしまうと、克服する機会も失いかねないのだと感じた出来事でした。
著者:中田くるみ/30代女性/2016年生まれの男の子と2019年生まれの男の子、2021年生まれの女の子のママ。ファイナンシャルプランナー3級、簿記3級の資格を取得。金融機関にて勤務後、夫の転勤により退職。趣味は米粉を使ったパンやお菓子作り。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年2月)
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